
先日恩田駅のホームからウォッチした東急長津田工場の状況につきましては既にご紹介した通りですが、この日は余り長い時間滞在することが出来ず、しかもテクノシステム脇の高台からのウォッチも省略しましたので、折角多くの車両の新たな動きが続いているにもかかわらず、それを十分観察しきれていない……という消化不良感が残りました (^^;)。
そこで昨日は、発送を控えて出場線での検査に入った伊豆急向け8000系がその後どうなっているのかをウォッチすることを柱に、他の車両の状況もじっくり観察することを狙って、改めて恩田を訪ねてみました。すると、いつの間にか8018+8208+8158の3連 (伊豆急TA8編成) は恩田から長津田検車区に運ばれており (その後横浜線の車内から、長津田の成瀬寄り終端部に留置されているのを目撃)、残るはクモハ8257+8157の2両だけとなっていました……。

それにしても、長津田工場から発送される最後の伊豆急8000系として、この2両がこうして佇んでいること自体、この上なく偶然かつ貴重で印象深いものだ……と思えてなりません。何故なら……まず何と言ってもクモハ8257は、DJ誌8月号の伊豆急小特集所収の編成表によりますと、東横線8000系さよなら運転での主役を務めたクハ8017を電装化したものだからです!! 元中発元住吉行特急として最後に先頭に立ち、東横線に別離のタイフォンを大いに響かせていたクハ8017が、いまこうして、クハ8001を除く東急線内最後の8000系先頭車として、実に撮りやすい位置に停車している……。それは果たして偶然なのか、それともファンに対する長津田工場の粋な計らいなのか、全く知る由もありません。それでも、踏切からさほど遠くない位置に留置されており、しかも手前の側線には全く車両が置かれていないことから、真相は後者なのではないか?と思わずにはいられないほどの味わい深い光景でした……。正面にうっすらと残る歌舞伎ラインの痕跡も、8000系さよなら運転の先頭に立った栄光を物語るかのようです。
また、このクモハ8257+8157による2連は、伊豆急が推し進める全編成3連化計画にともない、伊豆高原到着後はさっそくバラされて他の編成と連結されますので、2連を組んだ状態で停車しているシーンは恩田でのこの光景が最後! 最近個人的に伊豆急は少々ご無沙汰で、最新の状況はよく分かりませんが、ネットであれこれ見聞するにつけ3連化はほぼ完了しつつあるようですので、もしかするとこの光景は伊豆急8000系の2連そのものの見納めを兼ねているのかも知れません。
さらによく見ると、クモハ8257には未だ「正面ちょんまげ形クーラ」が取り付けられておらず……。というわけで、見れば見るほど貴重すぎる2連留置シーンを思う存分満喫するひとときとなったのでした。