
去る5月末の名古屋出張鉄シリーズも、ようやく最後の訪問地・三岐へ……。しかし、結構盛り沢山ですので、全部アップし終えるのは一体いつのことやら (^^;)。
養老鉄道を走る近鉄旧塗装のシブさと、消え行く近鉄現行塗装の両者に感動 (?) した後は、桑名の駅前広場をちょこっと歩いて北勢線の西桑名駅へ。三岐に移行後の北勢線は、06年11月にも訪問しておりますが (昨年4月4日付記事をご参照下さい)、改札口に鎮座まします自動改札を改めて眼にして、養老鉄道とは異なる三岐のヤル気を感じまくり! そして間もなく入線した電車は……ををっ、本当に冷房改造されている!! しかも、モ270形をそのまま冷房改造すると床下機器のスペースが不足してしまうとかで、モ270の片方の台車が電装解除され、その分を利用してク170形がモ170形になっています。傍目には如何にも魔改造的ではありますが (^^;)、そんな変化を楽しむのもローカル私鉄趣味の奥深さでしょう (*^^*)。
いよいよ桑名を発車した電車は、小さなボディとは全く不釣り合いな釣掛の雄叫びを上げながら、まずは関西・近鉄線をオーバークロスし、馬道からは阿下喜へ向けてひたすら緩やかな勾配を登って行きます。前回は時間の都合上、新設駅・星川で折り返しましたので、ここから先は三岐になってから初乗車。いやはや……六把野・北大社といった駅がきれいさっぱりと消え、その代わりに東員・大泉といった実に立派な駅が出来上がっています。新設駅のホーム構造や線路配置は、小型の電車にはもったいないほど非常にゆったりとしたもので、検討中とされる将来の改軌 (1067mm化) を先取りしたものと言えるでしょう。

こうして駅が整理統合されて駅間が広がったことに加え、着々と進みつつある高速化工事のためか、電車はとてもナローゲージ釣掛とは思えないほど驚異的に飛ばします! (ま、それでもせいぜい40~50km/h程度でしょうけど ^^;) しかし、楚原のちょっと先の眼鏡橋へ向かうスロープを下ったあとは、いよいよ個人的な北勢線のハイライト・ひたすら森の中の急勾配を悪戦苦闘して麻生田まで登る区間へ!! フルノッチでも全然スピードが上がらない中、とにかく重厚な釣掛シンフォニーが床下から響き続け、思わず目頭がジワッと熱くなりますね……(*^^*)。但し、近鉄時代の今にもポキッと折れそうだった悲惨な線路が全面的に改められている結果、近鉄時代ほどデンジャラスな走りではなくなっております (揺れが格段に減りました)。
麻生田のような山の中の無人駅にも自動改札があるという、ある種非常にシュールな光景 (^^;) に新鮮な驚きを感じたあとは、六石駅がどこにあったのか気付く暇もなく一気に駆け下って行き……日中無人駅ながらも非常に立派な建物となった阿下喜駅にゴールイン! 併設された鉄道公園には何とモ220が据え付けられ、お披露目へ向けてのレストアが始まっていました。かつて220形を廃車に追いやった270・170形が今や近鉄の手を離れ、黄色い冷房車となって日夜発着しているのを、220形はどんな思いで見つめているのでしょうか?
阿下喜に着いた後はそのまま近所を走る三岐本線へと向かったのですが、今回は折角ですので、いま乗ってきた電車が西桑名へ去るのを見送ることにしました。1枚目のカットは本来、手前にかなり目立つ標識がありまして、必死のレタッチで強引に消しておりますので悪しからず (^^;)。それにしても北勢線、車体の大きさに対して架線がやけに高い位置にあるため、パンタを高々と振りかざしながら走る光景は何とも言えないものがありますが、とくに後追いするときには、うっかり画面からパンタを切ってしまわないかどうかヒヤヒヤものですね……(^^;