
久々の台湾ネタに続いて、間もなく1年前の話となる韓国出張鉄の続きを (^^;
韓国の鉄道といえば、北京五輪を前にして超豪華客車編成を2本新造し、南北間で連結されて間もない京義線を利用して北京五輪応援列車を走らせる……という話題が景気よく語られていたものですが、さすが将軍サマの国がかかわる話は順調に行くはずがありません。韓国の政権交代によって将軍サマは一気に関係冷却化へと舵を切り、夢のような超豪華応援列車が北朝鮮を横断する見込みが立たなくなったばかりか、鳴り物入りで運行が始まったはずの開城工業団地への貨物列車も結局荷役量が低迷して運休しているとか……。そして今や肝心の将軍サマもヤバく、かの北の国をめぐる事情はいよいよ混沌……。個人的には、北に今も残っている可能性が高い鮮鉄客車をフツーに楽しめる日が一刻も早く来て欲しいと思っているのですが、その前にまずは……(以下略。以上の点に関するコメントはご遠慮下さい)。
ともあれ、明らかにオリエント急行を意識していると思われる濃紺の豪華客車 (新型ムグンファと同じタイプの、腰が低く丸っこい客車なのがイマイチですが ^^;) は、団臨として韓国国内での運用を始めているようです。また、北へのアプローチといえば、将来の平壌までの長距離電車列車運行を見据えた (?) 京義線・ムン山 (ムン=さんずい+文) までの電化・首都圏電鉄化も完成に近づいていることでしょう。そこで、ソウル駅から日中1時間間隔という何とも悠長なダイヤで運行されている京義線のCDC普通列車 (Commuter Diesel Car。日本の韓国鉄趣味界では、番号ゆえに9501系と呼ばれることが多いようです) も、そう遠くない将来に基本的に見納めになるのだろう……と思っています。
↑の画像は、有名大学が密集するソウルの原宿&渋谷のような街・新村で撮影したものですが、京義線もKTXの車両基地がある幸信までは電化されていることから、大都会の電化路線とローカルDCという奇妙な組み合わせを楽しむことが出来ます (*^^*)。このギャップを車内から楽しんでみたい方はお早めに……。

ただ、たとえ京義線のローカル列車が完全に首都圏電鉄網に組み入れられて通勤電車化されるとしても、大都会の架線の下をCDCが走る光景が完全になくなるわけではなさそうです。ムン山から先、民間人統制線までの、非電化のまま残される超ローカル区間は、CDCが単純に往復する運用となるでしょうし (編成は思い切り短くなりそうですが ^^;)、京元線の現在の末端部・東豆川=新炭里間も当分電化される気配はなさそう……。そこで、龍山の車両基地からこれらの非電化区間へCDCを送り込む不定期運用がどうしても必要になります。
2枚目の画像は、京元線の非電化区間を楽しんだ後、回基で中央線から来た龍山行の電車に乗り換えて玉水に向かう途中、たまたま清涼里で撮影できたシーンです (*^^*)。清涼里の京元・中央線電車ホームの反対側に、ふだんこの区間には来ないはずのCDCが停車していたことから「これは京元線非電化区間への送り込みだ!」とピーンと来まして緊急下車 (^^;)、発車シーンを後追いしたという次第……。時間はたしか12時20分過ぎですので、この時刻をご参考頂ければ、10両編成の電車に交じって高層マンションの谷間を走るローカルDCという不思議な光景を撮影できるでしょう (興味のある方はほとんどいないか ^^;)。
それにしてもこのCDC……ローカル列車としては非常に贅沢なフカフカの転クロを装備し (多分登場当初はボックスシートだったことが窓配置から伺えますが、ボックスシートのウケが悪かったのでしょう)、走行音もメチャ豪快……ということで、個人的には結構好きな車両なのですが、ここのところ韓国各地のローカル列車の消滅=CDCの撤退が相次いでいるのは、中間車を挟んだ編成型DCという特性上、あまり細かく編成長を調節できず非効率さが目立つからなのだろうか……という気がします。または単純に故障の多さか、はたまた地方ではローカル列車の本数が少な過ぎることによる客離れと優等列車への特化か……。