北勢線をアップしたついでに釣掛つながりで、台湾の釣掛式電車の話題を (^^;
資源小国・日本を襲った昨今の原油高は、ガソリン価格をはじめあらゆる方面での物価高を引き起こしており、とくにそれは旅行の安近短志向や、クルマ利用の減少による道路渋滞緩和といったかたちで端的に表れていますが、こういった事情は石油を輸入に頼る台湾でも全く同じようです。
しかもこの手の話題は、ただでさえ賑やかな台湾のメディアにかかりますと、それこそ天変地異のような切迫さで扱われるのが常 (^^;)。そこで、台北近郊の一大ベッドタウンである桃園県から台北への足として、自家用車ではなく台鉄へと切り替える人が激増しているのだとか……。その動きをさらに助長しているのは、従来台北市内&樹林以東に限られていた全車種共通運賃適用区間 (電車&復興号運賃で、キョ光・自強号にも無座扱いで乗車可。但し振子式のタロコ号は不可) の、桃園・中レキ (土+歴) までの拡大!
それは自ずと、優等列車のデッキにまで乗客があふれ、デッキから転落死する乗客が続出することにもつながり、「手動ドアのキョ光・復興号を一刻も早く自動ドア化or新型電車化せよ」という流れが加速しつつあるようです (鬱)。その一方で、各駅停車の混雑と遅延の元凶として槍玉に挙がってもおかしくなさそうなのが、南アフリカ製の2扉釣掛式電車・EMU400の存在です……。
EMU400は、早いもので今から17~8年前に、拡大する台北首都圏の通勤ラッシュ緩和の切り札として投入された車両でしたが、2扉ロングシートというスペックが採用されたのは、1990年代までの台鉄普通車の主力を占めていたのが日本製2扉ロングシート車とインド製2扉セミクロス車 (後者は花東線と南廻線で現役) であったことから、まあ自然な選択だったのかも知れません (確かEMU400投入に伴う転配の結果、日本風そのまんまな半鋼製の旧型客車が全廃されたはず……)。
私が初めて台湾を訪問した1994年、台北駅に出入りする鈍行列車の大部分がまだまだ藍色客車で運用されていました (今考えてみると夢のような時代でした……)。そんな中、EMU400はピカピカ過ぎて場違いなほど圧倒的な最新鋭電車として君臨しており、非鉄モードでの初訪台ながらも藍色客車支持派だった私としては、たまたまEMU400がやって来ると「何だよぉ……」と鬱になったものです (^^;)。それは、パンタが付いていながらもモーターが付いていない車両 (EP400) を「電動車だろう」と思い込んで乗ってしまい、余りにも静かなことに激しくつまらなさを感じてしまったからでもあります (爆)。この電車が釣掛式であることを知ったのはもっと後のことですが、釣掛自強と同じく車体の防音対策が練られた車両ですので、電動車に乗った際に初めて「あぁ、本当に釣掛だ♪」と分かります。くれぐれもご乗車の際は、側面に「EMC」「EM」と表記された車両を見逃さないようご注意を……(^^;;
ともあれ、そんなEMU400も釣掛と分かってからは酷愛の対象に早変わり (^^;)。しかし……登場からまもなく20年となり、しかも台北のラッシュには不向きであることは明らかですので、そう遠くない将来に廃車または他線区への転配という運命をたどるものと思われます。かねてから、宜蘭~花蓮間のローカル列車をこの車両にしてくれれば、東海岸の超絶景と釣掛を同時に満喫できるのになぁ……と思っておりまして、数年後に予定されている花東線電化 (ガガーン、ショック!) の際にもこの電車がローカル輸送を担当するのであれば「ま、いっか……」目をつぶるつもりですが……果たしてどうなるのでしょうか??
ちなみに『台湾鉄道網』を眺めていますと、釣掛自強の少数派・イタリア製EMU300のうち3両が、全面リニューアルのため高雄の車両工場に入場したようです。恐らく、南アフリカ製EMU200が派手な雰囲気 (?) のEMU1200に変わったのと同様、EMU1300として再デヴューするものと思われますが、とにかく台湾の釣掛事情も目が離せません……。
そういえば……かねてから発売予定がアナウンスされていた、元祖釣掛自強・EMU100の鉄支路製Nゲージ模型は、何のかの言って仕上げに時間がかかって先延ばしになっていましたが、先日同社のHPを見てみたところ、いよいよ発売となるようです (^O^)。しかし……優雅さが絶頂な登場時塗装版は、10連・豪華化粧箱入り・200セット限定で、しかも驚異的な値段になる可能性大……。まあ、非常に細かい作り込みの魅力は異常なほどですので文句はありません。それでも、現行塗装5両編成を台湾で買っても3万円以上するでしょうし……今度訪台するときに備えて資金を用意しないとなぁ (結局この夏は多忙でロクに旅行できなかったので、その分を注ぎ込んでやる!と破れかぶれな気分になっております ^^;)。