地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第三ジャカルタ炎鉄録 (26) 103と8500

2011-11-28 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 ジャカルタのカオスな交通状況と、その中で健気に走る日本中古車の話題は、編成数の増加及び日本におけるインドネシアという国自体の注目度アップに伴い、ぼちぼち様々なメディアが取り上げるところとなっているような気がしますが、そんな中ついに、中古電車の輸出をめぐってかねてからインドネシアで問題となっていた運輸省高官の汚職が日本でも大きく取り上げられるところとなってしまいました……。昨日の『朝日新聞』朝刊(及びWeb版では一部抜粋) によりますと、メトロ5000系と東葉高速1000系の購入をめぐって、某大手商社が運輸省高官をゴルフ接待し、購入費用を水増しして贈賄分に充てたとか……。そこで添えられていた画像がメトロ5000系ではなく05系であったのは記事としてどうよ?という気がするのですが (こんな新しい電車を輸出するぐらいならウチにくれ!という声がJRW沿線各地あたりから起こりそうな……^^;)、記事でも触れられている通り、利鞘が少ない中古電車の輸出入に大手商社が色めきだつのは、その先にあるMRT建設事業というビッグ・ビジネスに食い込もうとするためなのでしょう。東○の電車が大量に、かつ格安な費用で海を渡ったのも、インドネシアでかねてから大きな存在感を誇る系列ゼネコンの仲介 (&思惑?) があるのは、RP誌06年9月号の記事でも明らか……。
 そのMRT、渋滞地獄のジャカルタではとにかく完成が待たれているものですが、建設費のほとんどは円借款によるということで、既に中央線高架部分がそうであるのと同じく、極めて日本的な建築構造&システムになるようです。You Tubeには見事な完成予想CG動画 (You Tube内の検索で「MRT Jakarta」を入力) がアップされており「うほっ……ほとんど日本の最新鉄道と同じ!」と思わず腰を抜かします (車両は何やら「走るんです」風で、JREも技術的に関与しているのかどうか……? ^^;)。しかし、その完成も早くて数年後ということで、それまでは何とか既存の鉄道網が輸送力増を徹底的に図って行かなければならないことに変わりはありません (都市の膨張の勢いは、それでも間に合うのか?……と思うほどですが。汗)。



 そこで断行されることになったジャカルタ近郊電車のダイヤ大改正&系統整理、去る22日にKCJ (ジャボデタベック通勤鉄道) 公式HPにアップされた告知によりますと、いよいよ来る12月1日から新ダイヤに試験移行して様子を見たのち、5日から正式に実施するとのこと! 具体的な時刻は未発表ですが、計6系統のそれぞれが果たしてどの程度の運行間隔となるのか、非常に興味深いところですね……。
 とくに、ボゴールやデポックから来た電車がマンガライに到着したのち、環状西線と中央線のそれぞれにどの程度の比率で振り分けられるのかは要注目でしょう。環状西線に入ってグルッとジャカルタの街を約1周しジャティヌガラまで行く電車の本数がかなり多いとなれば、ただでさえ一往復するのに時間を要するボゴール運用に入る編成は一層つかまえにくくなるわけで……。ボゴール線は基本的に東急8500系が集中的に運用されるところであり、かつ今夏は103系高運もボゴール線にて東急8500と全く同じように用いられていましたので、両者を目当てにボゴール線に入り浸り気味な私としては少々気がかりなところです (笑)。
 いっぽう、スルポン線とブカシ線はここのところメトロ05系の天下としての雰囲気を強めているのですが (このほかスルポン線ではもともと都営6000の6連が多く用いられているほか、ブカシ線ではメトロ7000の存在感が激増)、それぞれ割と短時間で機織り運用する路線であることから、スルポン線と中央線~ブカシ系統は今後メトロ王国としての雰囲気を一層強めて行くことになるのでしょうか?! あるいはスルポン線は都営6000・6連が頻繁運転される独壇場になるのかも知れませんが……。もともとスルポン線では東急8500・JR103系は全く運用されませんが、ブカシ線からも両者の影がいっそう薄くなるとしたら、う~ん何だかなぁ……という気分であります。
 完全に独立した機織り運用路線となるタンゲラン線では、果たしてどのような車両が運用されるのでしょうか? タンゲラン線は潜在的に利用者を掘り起こし増発する余地がありそうなものの、これまで6連が1時間間隔で走るのみでしたので、4連を20分間隔で走らせれば強みを発揮できるように思われ、「猫バス」やKRL-1のほか103系4連が積極的に活用される舞台になりそうな……。
 何はともあれ、ジャカルタの電車史上明らかに画期となることが間違いない12月改正、その帰趨を熱く見守りたいですし、203系やメトロ6000系といった増備車の運用入りも楽しみにしたいところです。ホント、僅か数ヶ月御無沙汰にしているだけで浦島決定ですね (笑)。
 当面最大の懸念は……ドゥリ界隈の列車本数増加の如何によって、線路市場が廃止させられてしまわないか?ということ。そこらへんはインドネシアらしいノリで、来年の夏に訪れても相変わらず大賑わいであれば良いのですが (^^;
 というわけで、そろそろ今夏のジャカルタ・シリーズも大本命の東急8000系列へと進みたいのですが、まだレタッチが捗らず……(^^;)。

【JR Series 103 and Tokyu Series 8500 on JABODETABEK Line in Indonesia】The commuter train company of Jakarta announced the total change of timetable and service route from this December. I hope the new timetable will do great contribute to ease heavy traffic jam in Jakarta, and I hope the construction of Mass traffic system will be done rapidly. But the news from Jakarta has reported that there are dark side on the construction....