昨日の発売早々、思わず無我夢中でN化を進めた鉄コレ第16弾。富山地鉄は素晴らしいですし、遠鉄も今後の51+61や1000・2000系の発売を期待せずにはいられない魅力がありますが、個人的にみて圧倒的に美しすぎ悶絶してしまったのは、北陸鉄道加南線の二大クイーンである「くたに」6000系と「しらさぎ」6010系!
北陸本線から天下の名湯たる山代・山中温泉への連絡の足として機能していた加南線は、モータリゼーション・労使紛争による北陸鉄道の体力低下に加え、連絡駅である大聖寺と動橋の中間に新たな国鉄特急停車駅として加賀温泉駅が整備されたことで一気に客を失い、1971年に敢え無く廃止されてしまいました。しかしその後これらの車両は大井川鉄道に移籍し、「しらさぎ」は自走、「くたに」は「あかいし」(南アルプス=赤石山脈のこと) と名を改めて小田急1900系の貴重な残党に牽引されていたのは周知の通りです。
そんな「くたに→あかいし」と「しらさぎ」、個人的には大いなる不覚ながら一度も撮影しておりません。80年代は半鋼製車にハマっておりましたので、大井川鉄道も自ずと訪れたかったのですが、運賃の高さは貧乏中学・高校生にはネックであり、しかもかつて大垣夜行が金谷に臨時停車して南アルプス登山臨に連絡していたとは言っても、まだ真夜中の千頭に放り出されてどうせよという問題が……(^^;)。いっぽう90年代は非鉄 (滝汗)。初めて大井川鉄道を訪問したのは撮り鉄に復活した2000年代以降であり、時すでに遅し、これらの車両は引退済みでした……。
というわけで、自分の趣味において半鋼製という縛りがなくなった現在では、昭和30年代の作品としては圧倒的に優美な風格を誇るロマンスカーそのものとしか言い様がないこれらの車両に対し、遭遇できなかった分だけ神秘を感じるようになり、返す返すも後悔するのみ! そんな心の隙間を埋めるかの如く今回鉄コレとして模型化が発表されましたので、試作品をイベントなどで確認しながら待っていたところ、本当に期待を裏切らない見事すぎる出来でただただ感動です……。そこで、実車では有り得ない長編成化も実現!! (^^;)。
確かN誌だかどこかで、「鉄コレof the Year」を決める企画があったかと存じますが、個人的に思うに、とりわけ造形の妙と銀色の輝きがハイレベルな次元に昇華したといえる「しらさぎ」は断トツで今年のトップ入賞を果たすのではないでしょうか?! もっとも、南海6000系・東急6000系 (初代) といったステンレスカー軍団や、箱根登山モハ1・小田急デニ・京阪80・103系1000番台改105系といったあたりも大いに推したいところでありますが、通常弾でこの気合い!!というのは特筆すべきでしょう……!