地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第四ジャカルタ炎鉄録 (21) エコノミー客車

2012-12-11 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 先日、某近鉄系旅行会社主催ツアーのカモになっている両親宛に、海外の旅・新春号と銘打った冊子が届き、個人旅行派の私もメシを食うついでにつらつらと眺めることで旅行市場の簡単なリサーチ (というほどでもないか……^^;) をしているのですが、最高に驚くべきことに……そしてまさに時代の画期とでも言わんばかりに、中国・韓国ツアーの案内が全く載っていないことが発覚! いや正確には載っているのですが、「興味のあるヤツはこういうツアーがあるのでHPにアクセスせよ」と至極簡単に書いてあるのみで、具体的な写真やツアー日程の類は完全省略!! その代わりに、燃油サーチャージの値下がりや年末年始の休みのつながりの良さ (私は関係ありません。汗) のために人気沸騰といわれる欧州・米州のページが補強されているとともに、東南アジア各国が大大増ページ!! 数年前はあれほど中国・韓国が旅行市場としてアツいと喧伝されていたのに、まさに「花の色は移りにけりないたづらに」いやいや「諸行無常の響きあり」ですな……。まぁひとえに中○共○党と李明○が墓穴を掘ったためとしか思えませんので、割を食った旅行業者の皆様には御見舞い申し上げたいところですが、そういう潜在的なリスクを見抜けずイケイケドンドンであったわけですから、同情は致しません。
 その代わりに、インドネシアの扱いの急増ぶりは目覚ましいものがあるわけですが、それでもツアーが寄らないのが首都ジャカルタ (笑)。ホント、目ぼしい観光地がない商業都市の悲しさですなぁ……。鉄ヲタ的には他の如何なる観光地よりも究極のワンダーランドであるのですが (^O^)。しかし、そんなジャカルタを訪れる鉄ヲタのほとんどからも注目を集めることなく、地味~に走っているのが3等客車列車です。



 とはいえ、個人的にはボロ客車も大好きでありまして、昨年にはよりにもよって最もボロいロングシート客車に乗って日帰り旅行をした手前、オレンジとブルーの非冷房3等=エコノミー客車が来ると必ず撮影しております♪ もっとも、そんなエコノミー客車列車も、インドネシアの急激な発展やジャカルタの鉄道事情の変化により、いろいろと転機を迎えつつあるような気がしております。
 1枚目は、ジャカルタ・コタから、清涼な古都バンドゥン (但しバンドゥン駅には停車せず、西郊のパダララン駅、東郊のキアラチョンドン駅で客扱い)、そして風光明媚なプリアンガンの高原を経てクロヤに至る急行「スラユ」です。昼行 (朝出発のためpagi) と夜行 (malam) の計2往復があり、バンドゥンから東の山岳地帯や漁港などからジャカルタに向かう庶民のための列車として根付いてきた……ようなのですが、あれれれ……たったの6両編成とは (-_-)。驚異の大爆煙に歓喜を覚えつつも (^O^)、編成全体としてはイマイチ軽快に過ぎるような気がします。しかも、通過時に車内を見ると、レバラン直前7日にはまだ入っていないためか、結構空いているという……。これならそのうち体験乗車してみたいものだなぁと思う反面、やはりバスに客を奪われる現象は非冷房エコノミーでも同じなのだろうか、と懸念せざるを得ません。
 いっぽう2枚目は、スルポン~バンテン線の客車鈍行。ジャカルタに出入りする鈍行列車は総じて沿線自治体から補助金が出ているらしく、運賃が恐らく非冷房バスと比べても衝撃的な安さで抑えられていますので、こちらはいつ見ても長大編成で混み混みです (汗)。スルポンまたはパルンパンジャン往復の日本中古電車に混じり、時間によって30分~2時間間隔という結構な頻度でやって来ますので、まぁ1980年代までの常磐線上野口旧客鈍行と雰囲気が似ています (笑)。しかし……リンク頂いております『JABODETABEK COMMUTERS NEWS』様によりますと、近々予定されているダイヤ改正により、スルポン~バンテン線の客車列車は全てタナ・アバン折返となり、現在のように環状西線に直通してドゥリorジャカルタ・コタまで行く光景は見納めとなるとか……(既にパサール・スネン行が廃止されてドゥリ折返となっているわけですが)。こんな感じで何となく、夕方の賑わいが始まる前の線路市場 (まだ猛烈に暑くて人がいない……笑) を通過するシーンを撮ったのも昔語りになるのですねぇ……(遠い目)。とにかく、こんな展開からしても、ジャカルタの鉄道シーンは激しい変化の真っ直中にあるわけで、来た列車は一期一会!全て撮る!という覚悟が必要なのだろうと勝手に思っております (^^;