地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

富士急2002F・復活PEA塗装を撮る (下)

2014-02-16 00:00:00 | 地方民鉄 (甲信)


 一昨日の朝から昨日朝まで関東甲信で降り続いた雪は、周知の通り未曾有のものとなり、何と河口湖では140cmも積もったとか……。既に8日の雪でPEAさよなら撮影会が中止となったものですが、ここまでの積雪ではそもそも運行自体が困難となり、富士急公式HPによりますと昨日に続いて今日も全線運休とのことです。これは最早、日本海側の三八豪雪になぞらえて、(平成) 二六豪雪、またはバレンタインデー豪雪と呼ばれるべきではないかと思いますが、その一方で先日さよなら撮影会なしで引退となってしまった復活PEAの存在すらも遠い昔の話のように思えて来るのは私だけでしょうか?
 というわけで、先月末に少々撮影したPEA画像の後編を。個人的に富士急2000系は、東海顔と「特急」幕の組み合わせにメロメロでありますので、基本的にはJREでの現役時に有り得なかったこの塗装と特急幕の組み合わせが一番の狙い目でありました (笑)。しかし、世の鉄ヲタの皆様は私ほどひねくれ者ではいらっしゃらないでしょうから、やはり国鉄末期の渾身の作品である小田急ロマンスカー&名鉄パノラマカーのパクリ顔の方にグッと惹かれることと存じます。そして勿論私も、この手のマスクは大好きですので (ただ、地味で質朴な魅力という点で東海顔にはかなわない、ということです ^^;)、大月での入換時と、営業運転中の後追いについては必死に撮影した次第です。



 それにしても、こうして撮影するにつけ痛感するのは、小田急や名鉄と比べても二階運転台が奥に引っ込んでおり、したがって正面展望への飽くことなき追求が際だっていないか?ということです。余りにも車体構造上の変動が大きいため、種車に単純に新マスクを溶接したのではなく、ボディを完全に新造したという話も大いに納得が行くところ。そんな気合いもひとえに、中央高速に対抗して中央東線の存在感を改めて盛り上げたい、そして当時バブルに浮かれていた全国で雨後の筍のように出現したJTの中でも頭一つ抜きんでたいという関係者の熱意の賜物であったのでしょう。しかし程なくしてバブルが崩壊し、強者どもが夢の跡、鈍足でグリーン料金がかかるこの編成に魅力を見出す団体ツアーや臨時列車利用客は少なかったと思われ、中央東線で所期の通りに長期間活躍出来なかったことこそいとあはれ。
 そんなパノラマエクスプレスアルプスも辛うじて富士急に拾われ、むしろ富士急での活躍期間の方が長くなっているわけですが、たとえヘンテコ富士山キャラ三昧に身をやつそうとも、僅かな特急料金で束の間のブルジョア気分を利用客に日々振りまき続けることが出来たことの方が、恐らくこの車両にとって幸せだったのかも知れません。ほら、現に私がこうして後追い撮影していても、展望席に陣取った御婦人方が「あ~ら、怪しい鉄ヲタが必死になって私たちの列車を撮ってるわよ♪ こんな超人気な列車の展望席に陣取れるなんて、私たちシアワセね♪」な~んていう会話をしていそうではありませんか (笑)。