去る14日のバレンタインデー豪雪は、首都圏近郊でも未だに大量の融けない雪を残しておりますが、各種報道で伝えられている通り、山梨県全体や秩父など内陸の盆地や谷間に凄まじい被害をもたらしました。個人的には雪大好き人間であるとはいえ、さすがに普段豪雪とは縁がない関東近辺において過去未曾有の一日に約1m、あるいは場所によってはそれ以上の降雪となりますと、これはさすがに深刻な雪害であると考えざるを得ません。心より御見舞い申し上げます……。
そして、まさに陸の孤島と化してしまった秩父に通じる2本の鉄道では、日夜再開通に向けて懸命の除雪作業が続けられて来たわけですが、このうち西武秩父線については芦ヶ久保近辺の積雪が余りにも凄まじい旨 (最高4m!) が公式HPにアップされています。いっぽう、秩父鉄道については何とか秩父まで開通し、本日からは影森まで開通するとのこと……。しかし影森から先の山峡部については到底開通の目途が立たないとのことで、ゆえに来る22・23日の1010Fさよならイベント走行が中止となる旨、公式HPにて正式に発表されました。
このたびの臨時6連の運行中止により、単に秩父鉄道はツアー参加ヲタの皆様からの収入を失うほか、キャンセルに伴う払い戻し手続きなど相当の面倒を強いられるかたちとなり、引退する国鉄101系で臨時収入を得て新車購入の足しにする……という計算が大幅に狂うことになるのは否めないところでしょう。また、最後の秩父標準色編成であった1010Fのさよなら運転が行われないまま廃車ということで、これまで各種リバイバル塗装車の引退ごとに盛大に集客してきた記録 (とりわけチョコバナナは凄かった……) も途絶えることになります。しかし元々、1000系が全て標準色で圧倒的多数でもあった頃は、ほとんど誰からも見向きもされずに黙々と走っていたのであり、1010Fもそんな標準塗装車にふさわしく静かに消え去る運命にあったのだろう……と思うしかなさそうです。
というわけで、今般の展開は結局、如何なる車両についても引退が決まった後ではもう乗るのも撮るのも不可抗力のために手遅れとなる可能性があり、そうなる前にきちんと記録し楽しんでおくべきだ、という教訓を残したように思います。そして、さよなら運転及びそれに参加出来ることは、偶然のボーナス程度にとらえる必要があるのでしょう。だからこそ、「日常こそ一期一会、日常こそ貴重な記録」ということを肝に銘じて、まったりと乗って撮りたいと思うのみです。
さて、1003F (画像は標準塗装時代) のさよなら運転=1000系完全さよなら運転は、果たしてどうなるのでしょうか……?