満鉄客車を連結した一日一往復の行商列車に乗るにあたり、前回はハロン 下龍 からの上り列車に乗ったことから、今回はハノイ北郊のイェンビェン 安園 を早朝4時55分に発車する下り列車に乗ることにしました。とりわけ下り列車に乗れば、行商客の荷物を積み込むための長時間停車の回数が多く、積み込み風景を撮影出来るだけでなく、罐を先頭にした編成写真を撮影するチャンスも増えるということで……。
ただ、とにかくイェンビェン駅は郊外にありますので、ハノイ中心街からタクシーを飛ばす場合、朝4時頃には出発する必要があります。とはいえ、大きなホテルであればさておき、旧市街の小さなホテルにおいて、そんな早朝にタクシーを呼んでくれるかどうか、些か疑問の余地がありますし、4時頃に流しのタクシーがつかまるかもナゾ (4時半~5時ならOKだと思いますが)。そこで、必ずこの列車に乗ろうと思ったときの最も確実な選択肢は、イェンビェン以北の沿線に宿泊することになります。イェンビェン駅周辺には、予約サイトで確保可能な宿屋はないようですので (中国の旅社レベルに相当するニャーギという安宿 (事実上ラブホを兼ねております) は探せばあるかも知れませんが)、今回はイェンビェンの次、トゥーソン 辞山 駅近くのホテルを海外ホテル予約サイトで予約し、宿から15分ほど歩いて無事4時45分頃に駅に到着しました。何と、駅にはまだ電気が灯っておらず、私が着いた3分後くらいに、駅員の尾根遺産がバイクに乗って現れました (笑)。
列車の到着は5時7分ということで、待つことしばし。夏至直前とはいえ、5時前はまだ緯度・経度の関係で暗かったものの、5時を過ぎると無事どんどん明るくなり、高感度側に振って何とか30分の1、f5.6程度の露出を確保出来るようになりまして、入線する列車をズーム流しで撮ることに決しました。そして……3分遅れでヘッドライトの灯りが迫り、予想通りに (=南寧発ザーラム行き国際列車の交換待ち) 待避線に入って来たハロン行き列車は……ぬうぉぉぉ~何じゃこりゃ!長げぇぇぇ~! これでは貨車ばっかりで、客車はケツの方に小さく見えるだけではありませんか! (笑)。この混合列車は途中ケップ 双 で折り返しの罐付け替えのため、そしてマオケ 毛渓 で貨物扱いのため長時間停車をすることになっていますが、「マオケまでこんなに沢山貨車を連れて行くのか……。前回乗ったとき、マオケからイェンビェンまでこんなに連結したっけ?」と驚くばかりです (もっとも、真相は別。また改めて……^^;)。
ともあれ、南寧からの列車と交換したあとはすぐに発車すると思いましたので、まずは満鉄客車の行商客車C51003 (一般客車B41001は連結されず……-_-; なお、この場合、C51003は代用の一般客車に指定され、行商荷物の持ち込みは禁止) に乗り込み、車内から中国国鉄25系客車の通過をお見送り~。出来れば通過シーンを撮りたかったのですが、国際列車はかなり飛ばすため、ズーム流ししても多分失敗するものと諦めました (苦笑)。
ところが、国際列車がザーラムへと去っても、こちらは何時まで経っても発車しない……。「これはおかしい」と思い、再びデッキに立ってみると、何と目の前を本日の罐・D14E 2013がやはりザーラム側へと去って行くではありませんか! そしてその先には、ポツンと留め置かれた2両の有蓋車……。要するに、ザーラム行の通過を待って、D14Eが一旦編成を置き去りにして本線に出て、再び戻って駅舎側の側線に入り、トゥーソンから発送される貨車を出迎えていたのでした。これこそがまさに、古き良き混合列車シーンというものなのですな……(*^^*)。しかも、そんな入換を、東風11形に似せた優等っぽいマスクのD14Eがやっているというのですから痛快です♪
もっとも、この入換の結果、トゥーソンでは5分停車のはずが、結局10数分停車となってしまったのでした。まぁ、定刻ならケップで30分停車ですので、それを削れば定時を回復出来るのでしょう……(実際そうなりました)。というわけで汽笛一声、ギシギシと凄まじい音を出して満鉄客車が転がり始め、壮絶な酷暑の超鈍行旅が始まったのでした……。