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ケップ駅での罐換えシーンでは、実に意外な美味しいおまけが付いて来ました。何と……イェンビェンからここまで連結されていた貨車は全て、マオケ行きではなくドンダン行き(そして中国行き)ということで、ハロン行き客車とは切り離されたのでした。そして、ここまで編成最後尾に無動回送で連結されていた、ベトナム国鉄標準軌罐の「最新」型・D19Erが「グォーン」とエンジンを起動させ、やがてザーラム方へ。ハロン線本務機のD14Eがドンダン方からザーラム方へ走り去るのを激写して間もなく、ホームの南端あたりで両機がすれ違うという滅多に見られない光景が展開しました……。装着していたレンズは24-70mmですので、撮ろうにも小さすぎ、ただポカーンと口を開けて眺めるのみ……あな口惜しや! その後このD19Erは貨車編成のドンダン方に連結され、中国行きの車扱貨物オンリー列車の一丁上がり!
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それにしても思うに、
*D14Eの次位に、当面無動回送扱いでD19Erを連結。
*イェンビェン~ドンダン間の通しでD19Erが本務機を務め、D14Eはケップまで最後尾の無動回送、ケップで初めてエンジン起動。
……以上のいずれかにしていれば、こんなややこしい入換をする必要もないと思うのですが、本務機は常に先頭、無動回送機は常に最後尾、といった内規でもあるのでしょうか?! まぁ、おかげで面倒な入換を激写して楽しむことが出来たので全く結構なことですが……(笑)。
それはさておき、滅多に列車が走らない (?) ベトナム国鉄標準軌用の罐にしては、やけにナウ (^^;) な雰囲気のこの罐……。他の最近のベトナム国鉄罐と同じく、四川省にある中国南車(現・中車)資陽工場製ですが、HUU NGHI(友誼)という愛称が付けられているあたり、南シナ海問題で中越両国が些か険悪な関係になる前の、経済面と共産党間交流を中心とした中越関係の「蜜月」を象徴しているのかも知れません。もっとも、中越関係がかなりヤバくなったとは言っても、ベトナムとしては特に北部の経済を盛り上げる上でも中国との関係を重視しているわけで、この罐が愛称通りに中越間の交通の担い手として今後も倍加して活躍できるかどうかは、あくまで中共次第といったところでしょうか。
なお、D19Eという名称は、そもそもメーターゲージのドイモイ型機関車が名乗っているわけで、全く風貌もデカさも異なるこの罐が「r」を名乗っている意味は果たして如何に?! まさか、基本的な機関や出力は同じで、単にゲージや車体が異なるだけとか……と思いググってみたところ、漢語版ウィキペディアと資陽工場の製品紹介でその通りの説明がなされていました (汗)。D19Erは計5両しかない少数派のため、タマ数が多いD19Eと機器を共通化することでメンテの便を図っているようです。一方、この罐には「SDD3 0005」という中国風の車番が付され、何やら不思議な感じがしますが (D14Eには無い)、もしかすると保安機器などがCNR直通に対応しているのかも……と思いきや、資陽工場製の外国向けDLには広く「SDD」という形式名が付けられているようです。トルコ向けの機関車は「SDD10」だったり……。しかし「資陽 Ziyang」なら何故「ZDD」ではないのか……(真相は不明)。