地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

メトロ東西線5000系・最後の輸出 (下)

2007-04-23 09:07:00 | 貨物列車 (神奈臨)


 千鳥町・西群線のヤードに到着したメトロ5000系・59Fは、ここでDLを先頭から最後尾につけ替えるために、しばしの運転停車。これまで5本の営団→メトロ5000系列 (東葉高速を含む) がたどってきた日本国内最後の鉄路を、いまこうしてたどってきた59Fは、ヤードを取り囲む無機質の極致ともいうべき絶景を前にして、一体何を想っているのでしょうか……。撮っている私の脳裏でも、しばしば利用した東西線地下区間での、クネクネカーブの連続をゆくデンジャラスな走行音が去来せずにはいられませんでした。
 もっともヤード周辺は、次第に他のポイントで走行シーンを撮っていた撮り鉄が殺到して大変なことになっており (汗)、日曜朝の工場地帯の静寂や5000系の沈黙と対照的な世界を繰り広げていました (@o@)。とくに、これからDLが連結される川崎貨物寄りの位置では、前にも増して柵越えが続出。千鳥線を愛好する者として、こういうルール違反は本当にやめてもらいたいものです (-_-メ)。



 やがて機回しが終了し、いよいよ5000系・59Fは川崎市営埠頭の先端に向けて、国内最後の旅へと踏み出して行きました。推進運転になるのは、輸出入車両が留置される柵の中には機回しスペースがないためです。ヤード西側の踏切から先は、保税区域につき一般人の立入は禁止。踏切を超低速でゆっくりと通過してゆく5000系を見送りながら、次はジャカルタで会おう……と念じたのでした。
 いちおう、103系の輸出のときにも同じことを思ったはずで、しかもジャカルタでは東急8000・8500系も大活躍を始めているので行きたいのはやまやまなのですが、インドネシアに1週間ほど出かけるだけのまとまった時間を確保する目途が立たないのが当面の悩みです。
 なお、市営埠頭先端の留置スペースは、川崎港海底トンネル入口脇にある「ちどり公園」から眺めることができ、ここまで先回りすれば到着シーンも眺めることができますが、昨日は余りにも風が強く砂塵がモウモウと巻き上がっていたのと、柵や手前の輸出乗用車などに阻まれて完璧にキレイに撮れるわけではないためパス (^^;)。単機で戻ってきたDD5515をヤードで撮ったのち、バスで川崎駅に戻ったのでした。


メトロ東西線5000系・最後の輸出 (上)

2007-04-22 17:12:00 | 貨物列車 (神奈臨)


 去る1月29日に深川検車区でさよなら撮影会を行った東京メトロ・東西線5000系。その後、アルミ車 (90F) はすぐに廃車解体されてしまいましたが、ステンレス車の59FはしばらくのあいだHMをつけた姿で通常の運用に入り、通い慣れた東西線に別れを告げていました (結局撮れず仕舞い……-_-)。しかし、ついにインドネシアに輸出されることになり、その甲種輸送がきょう実施されました。
 夜間から早朝にかけて中野から川崎貨物駅に送られてきた59Fは、例によってかなりんのDLにバトンタッチされ、9201レで川崎市営埠頭へ。個人的に、5000系および東葉高速1000系のインドネシア譲渡回送は結局最初だけしか撮っておらず、それも別のポイントで撮影していたため、今回は千鳥町のヤードへの到着シーンに絞って待ち構えてみました。
 


 朝7時過ぎには千鳥町に到着し、待つこと1時間。ついにホイッスルが遠くから響き渡り、やがて5000系が化学工場の配管のトンネルをくぐって、日本での最後の晴れ舞台に姿を現しました! 
 思い出してみれば、これまで散々通ったはずの千鳥線でこうして撮影するのも久しぶりなような気が……。昨年の夏に旭化○の輸送が廃止されて以来、千鳥線の運行頻度が大幅に下がっており、一時的に復活している○触の輸送も、だいたい期待が裏切られる結果に終わっていますので……(-_-)。
 というわけで、メトロ5000系の最後の姿に感慨が湧き、思わずカメラを握りしめる手が熱くなるのはたしかなのですが、それ以上に「あー、千鳥線で久しぶりにウヤに遭遇しなくてラッキー」と思わずにはいられませんでした。
 それにしても、個人的に千鳥線の運行シーンを撮るときは、何でDD5515ばかり来るのかと (-_-)。まあ15号機も先は長くないので、記録と割り切ることも出来ますが、やはりDD602か、塗装変更したDD5518が見たかったです、はい (^^;)。

伊勢湾周辺鉄参り (10) あおなみ線で貨物見物

2007-04-20 00:00:00 | 貨物列車 (臨海・専用線)


 昨年末の撮り鉄シリーズが完結しましたので、昨年秋の名古屋出張シリーズも最終回にしましょう! (^^;) 数日間の滞在を終えて新幹線で帰る直前、少々空いた時間を使ってあおなみ線にブラリと乗った際の記録です。
 ……とは言っても、天気は「ブラリ」という言葉とはほど遠い、暗く冷たい雨……。あおなみ線に乗るのは2回目で、前回は開通直後、時間の関係から小本まで行って帰ってくるという程度でしたので、名古屋貨物ターミナルから先、新たに高架化して整備した区間の様子を楽しみにしていたのですが、金城埠頭あたりで展開する肝心の名古屋港大パノラマもどんよりと煙っていました (-_-;)。それでも、数日前に車扱貨物を激写して一人で盛り上がってしまった昭和町界隈を港越しに望んで「あー、鉄分濃厚だった出張もこれで終わるなぁ……」という感じでしみじみ (^^;
 金城ふ頭駅の周辺は、天気さえ良ければ散歩してみたくなる雰囲気ですが、天気が天気なので改札でトランパスを通したあとすぐに折り返しの電車に乗車。最大の楽しみである名古屋貨物ターミナル・ウォッチに向かいました!



 名古屋貨物ターミナルは、その名の通り名古屋近辺で集荷されるコンテナ貨物の拠点であり、ここへ向かうコキが名古屋駅の新幹線寄りを通過してゆく光景はおなじみですが、肝心の貨物ターミナルは周辺の道路からはウォッチしづらい高い位置にあることもあり (→今回訪れて初めて知りました ^^;)、これまで雑誌などでその全貌や入卒の光景などが明らかにされることはほとんどなく、非常に謎めいた印象がありました。それが、あおなみ線の開通によって一気に神秘のヴェールがはがされたという次第! 小本駅のあたりから側線が現れ (今回は、数少ない「カーラック」コキ71が数車留置中!)、荒子→南荒子→中島にかけて、あおなみ線の東側に巨大なターミナルが広がっていました……!
 そして、ここの入卒に従事しているのが名古屋臨海・ND552の赤いバージョンです! ND552は国鉄DD13タイプの典型ともいえる車両ですが、名古屋貨物ターミナルに配置されているND552 15は正真正銘のDD13を譲り受けたもので、塗装とあいまって国鉄時代の貨物シーンがリアルに再現されているかのようです! (*^^*) むかしは横浜港界隈や鶴見線でも見かけたよなぁ……DD13!
 いっぽう、ND552 16は側面やキャブの形状が違っており、如何にも珍品な印象を受けます (^^;)。他にも、検修区には水色のND552が停車していましたが、今後は水色化して行くのでしょうか……?!
 とりあえず、おすすめ撮影スポットとしては、南荒子駅のホーム北端 (1枚目) と荒子駅のホーム (2枚目) といったところでしょうか。根岸ほど頻繁ではありませんが、ホーム横で入卒三昧を楽しめる理想郷だと思います。しかしこの日は暗い雨 (T_T)。手ぶれ補正のおかげで辛うじて停車時に撮れたという感じです……(@o@)。
 ※補足:ND552三重連さまのご指摘をうけ、一部記述を変更しました m(_ _)m

急行きたぐに583系・バルブ撮り紀行

2007-04-19 00:09:26 | 国鉄型車両


 姫路から大阪までは新快速であっという間! アーバンネットワークの王者・新快速は、夜中の大阪方面行きだというのに、明石を出る頃には席が埋まり、神戸・三宮あたりからは……(以下略)。
 というわけで到着した大阪駅。帰宅する人々でごった返す連絡通路を北へ向かい、長距離列車発車ホームへと向かいました。実は、関西人ではない私としては、大阪から北陸線方面へ向かう長距離列車にはほとんど縁がなく、京都からサンダーバードと急行きたぐにに各1回乗ったことがある程度です。そこで、突然行き交う人の数が激減して、如何にも「北へ向かう列車」が待っていそうな情感が漂う空間にはカルチャーショックを受けました。まぁ、上野駅地上ホームみたいな場所だと考えれば良いのでしょうが、夜中ともなれば格段の哀愁が……。
 そこで階段を上って行きますと、いよいよお目当ての急行きたぐにが! これに乗って一路直江津を目指します。ボックスシートの自由席は既に一度経験していますので、今回はかねてから乗ってみたかった天井が異様に高いサロを選択してみました (^_^)。発車までは時間に余裕がありましたので、ここでもバルブ撮影! 塗装は違えども、583系は長年来、毎日ここから北へと旅だってきたのですね……(*^^*)。
 そして最近聞くところでは、このホームは大阪駅の大改造に伴い閉鎖になる (なった?) とか……。またひとつ、昭和の面影が失われて行くとは……(-_-;)。



 肝心のサロは、乗ってみると確かに天井が異様に高く……写真などで見て想像していたよりもはるかに独特の雰囲気に圧倒されました。乗客が少ないことを見越したのか、車端部のシートは撤去されてロングシート化、もといサロンコーナーに改造されているのはびっくり仰天。ここで深夜団体に騒がれてもかなわんなぁ……と思ったのですが、そんな客はいるはずもなく、列車はどっしりとした走りで夜の北国街道沿いを北上して行ったのでした。
 ただ、京都から自分の真後ろに女子大生2人組が座り、さぁこれから寝るかというときにしばらくペチャペチャとしゃべられたのには参りました。それでも一応眠れたので良かったのですが……やはり眠りを追求するとしたら、狭くとも三段ハネを選択するべきだったのだろうか、と反省 (-_-)。私は大男なので、座っても頭がぶつかる三段ハネはそれでもやっぱり乗りたくない……。A寝台は直江津で降りるには高いですしね (^^;
 というわけで、朝6時前に定刻通り直江津に到着しまして、長野行の普通電車が発車するまでの数分間のあいだに向かい側のホームへ向かい、三脚を構えて改めてバルブ撮影! とりあえず一晩お世話になりました!と思いつつ大急ぎでシャッターを切ったのですが、長野行の発車時刻にはギリギリセーフ。危ないところでした……。
 115系の車内で迎えた朝、暖冬と言いながらも二本木→古間間では妙高の絶景を織り交ぜた雪見を楽しむことが出来ました。温暖な讃岐から、寒冷な信州へ……急行きたぐには、まさにその名の通り、私を一夜で全く違う世界まで運んでくれたことになります (*^^*)。

播但線の103系・夜の姫路にて

2007-04-18 00:03:24 | 国鉄型車両


 琴電年末シリーズは一応完結しているのですが、そのあとのおまけ……と呼ぶにしては充実した収穫をアップしてみましょう。高松からは、年末撮り鉄旅行の次の目的地・長野へ向かうべく普通列車を乗り継いで大阪へ移動したのですが (その長野での撮影はだいぶ前にアップした通り。順番が全然テキトーですみません ^^;)、その途中では巷での悪名高き岡山→姫路間・本数激減地獄を初体験しました。寒すぎる岡山駅のホームで列車を待ちながら、いちおう山陽線は直流複線電化の大幹線であるというのに、1時間以上旅客列車のスジが開いてしまうというのはどういうことじゃ……という文句をJRWにぶつけたかったのはやまやまでしたが (^^;)、転クロを装備した115系カフェオレがやって来たのは救いでした。
 そんなこんなでようやく到着した姫路駅。ここでは時間に余裕をとりまして、長い道中のお楽しみとして播但線の103系を撮影して楽しみました (*^^*)。四国でキハ58・65をバルブ撮影するために重い三脚をわざわざ持ち歩いていた以上、こういうときこそ活用しなければもったいない!というわけです。



 播但線の電化に合わせて投入された103系3500番台は、いかにもJRWらしい大幅なアコモ改造が加えられているため、決して広島支社の103系のような熱い感動を呼び起こすわけではないのですが (^^;)、そこはやはり103系! 切妻の車体にDT33台車が装備されていれば全てが許されるという感じです (*^O^*)。この真っ赤な車体も、バルブ撮影してみると異様に妖艶に見えるのは気のせいでしょうか。
 なお、姫路駅は現在高架化工事がたけなわのようで、すでに山陽線が高架へ移行していますので、播但線の103系が地平の味わい深いホームに停車しているシーンもいずれ眺められなくなることでしょう。そういう意味ではちょうど良い記録写真になったかな……と思っています。(もちろん、同じくまだ地平の姫新線ホームでキハ47を撮影しました ^^)
 とまあこんな感じで、播但線の103系3500番台もなかなかイケることから、次は昼間の走行シーンや加古川線の103系3550番台も、と思ったのですが、加古川線はアノ恐ろしいイラストの電車がどうしても苦手で……はい (標準塗装だけがやって来るというわけには行かないでしょうし、困ったものです -_-;)。