地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第四ジャカルタ炎鉄録 (2) ブミグリスの旅

2012-08-15 13:00:00 | インドネシアの鉄道


 今回のジャカルタ訪問は、個人的な仕事の都合上、昨年に引き続きラマダーン (断食月) 中に敢行せざるを得ず、しかもこの8月のジャカルタは過去3回の訪問時と比べてひときわ暑かったことから (雨が一滴も降りませんでした)、炎天下での撮影中に人前で水分補給出来ない辛さは格段のものがありました……。勿論、高級なデパートなど外国人が多いところに逃げ込めば、そこは断食とは一切無縁の別世界で、真っ昼間から美食を楽しむ人々が群れているのですが、それはそれ。撮り鉄するならば異教徒であっても表向き断食には従わなければならないのです (汗)。
 しかしラマダーンは、非ムスリム撮り鉄にとって辛い話ばかりでもありません。断食明け (レバラン、またはアラビア語でイード・アル・フィトル) は自ずと盆と正月が一度にやって来たような嬉しい節目であることから、多くの人が故郷へと帰省し、その凄まじい人波をさばくために多くの臨時列車が運行されます。それらの臨時列車は基本的に客車列車ですが、今年のレバラン輸送には注目の路線・車両が参入しました! 何と……2008年の末に、長らくの自然災害による運休から復活したボゴール~スカブミ間 (以下スカブミ線と略称。本来は西廻りでジャカルタ~バンドゥン間を結ぶ路線の一部。勿論、ジャカルタ~ボゴール間は日本製冷房車が闊歩する大幹線ですが、スカブミ~チアンジュール間が未だ運休となっています) において、断食明けを挟んで前後約10日間、日中に臨時列車が1往復することに!! 


 
 このスカブミ線は単にボゴールから南の極めて風光明媚な山岳・田園地帯を走るのみならず、1980年前後に日本から経済援助で輸出されたDC (まさにキハ40系列のインドネシア版という雰囲気!) が走り、しかもこのDCは毎週2~3回タナ・アバン機関区での検査のためラッシュアワーのジャカルタに堂々と顔を出すことから、かねてからジャカルタを訪れる日本人鉄の間でも静かな注目を集めていました。しかし如何せん、運行時間が悪すぎ……毎日夕方5時にボゴール発、翌朝5時にスカブミ発 (所要各2時間) という、ジャカルタ滞在者にとっては乗るのも撮るのも非常にハードルが高い存在でした。しかし、そんなスカブミ線のDC「ブミグリス」(「麗しの大地」の意) が、ボゴール発10時、スカブミ発13時という最高に乗り鉄しやすい時間に運行されるとしたら、これはもう乗りに行くしかありません! しかも運行期間がレバラン前後約10日と比較的長く、今回の滞在期間中の平日であれば、レバラン当日から1週間以上離れていることから、多分かなり空いているのではなかろうか……という期待も大いに抱けます♪
 そこで撮り鉄2日目となる9日、朝ラッシュのマンガライ駅での撮影ののち、東急8608Fのサウンドを満喫しながら一路ボゴールへ! 一旦改札外に出てスカブミまで8000ルピアの切符を購入し、再び構内で撮り鉄することしばし……。いよいよ9時40分頃「ブミグリス」が電車区から出庫して来まして、案の定スカスカな車内で眺めの良いシートをゲット! そして10時、運転を知って乗った僅かばかりの地元客 (まだ帰省客という風情ではない) と、数人のインドネシア人鉄ヲタ、そして私を乗せて (平均1両あたり10人程度?)、「ブミグリス」は魅惑のローカル線の旅へと踏み出して行ったのでした……。ジャワの田舎旅の魅力が凝縮された道程の素晴らしさは語り尽くしようがないのですが、とりあえず↓の画像でお楽しみ下さい♪


ボックスシート車に2等用転クロを装備したため、窓と椅子は不一致。



ボゴール発車! 昼間にここから列車に乗って南へ向かう機会がついに♪



ボゴール近郊の最初の停車駅・バトゥトゥリスにて。山の街らしい雰囲気。



ドア上の路線図。昼間の増発列車は青印の停留所を通過します。



マセン駅。通常1日1往復であるのが実にもったいないほど小綺麗な空間。



チゴンボン駅周辺から眺めるサラク山の絶景! ジャワの田舎の旅は最高!



チチュルグ駅にて。沿線の子供たちは昼間走る列車にみんな超大はしゃぎ (笑)。



パルンクダ駅にて。駅ナカネットカフェ前で男女がデート。商標使用無許可? (^^;



チバダック駅にて。最後部車両は踏切上に停車し、バイクとのコラボも (汗)。



夢のような棚田の風景が続きます……。



スカブミ駅付近にて。街の踏切は市場になるのが宿命? (列車通過時に撤去)



第四ジャカルタ炎鉄録 (1) 東急8039F!

2012-08-14 14:12:00 | インドネシアの鉄道


 楽しみは後にとっておく、という言葉があるように、過去3回のジャカルタ撮り鉄記では最大のお目当てである東急8000系列の話題を後回しにしてきたものですが、今回はそれを翻し、敢えて一番最初に8039Fの姿をご紹介したいと存じます。何故なら、8039Fは最近2年に1回の全検を終え、ジャカルタに来てから3つ目の新たなカラーリングとなっているだけでなく、これまで想像だにしなかった新たな展開として、線路市場の駅として知られるドゥリから分岐して真西に向かうタンゲラン線に入線していたからです!! 
 このうち新色については、8003Fや8007Fと同じ明るめの青+黄帯となることが前もって予想され、加えて女性専用車ラッピングが施されたことについても「出来ればラッピング無しの方が良いけど、あればあるで如何にもインドネシアらしい色彩感覚が似合っていなくもないので悪くない……とゆーか、ある意味でメチャクチャ歌舞伎的でもある」と思っておりましたので、最初から素直にピカピカな8039Fとの再会を楽しみにしていたのでした。正面の投石避け網の枠も銀色から黒となり、何だか雰囲気がグッと締まりましたし……(^O^)。
 しかし、撮影初日と2日目、「ここで待っていれば必ず8039Fが来るだろう」と信じて疑わなかった中央~ボゴール線で、待てど暮らせど8039Fはやって来ない……。そこで「これはもしや急に故障してしまったのか。それとも予備車扱いとしてずっとデポックで寝たままなのか……。折角はるばるジャカルタまでやって来たのに、しかも全検明けであるはずなのに、来ないとは悲しすぎる……」と嘆かずにはいられなかったのでした。



 ところが撮影3日目、ひょんなことから最高に奇跡的な展開に! この日はまずブカシ線・ジャティヌガラ以東(複々線工事区間)での走行シーン撮影に初挑戦し、長距離列車はそれなりに撮影したものの、ブカシ行きの電車はメトロ尽くしゆえ、203系及び東急8000系列は全く撮れず、何とも言い様のない残念感を抱きながら (メトロ党の皆様スミマセン ^^;) 一旦宿へ。正午前後の酷暑をしのぐためしばし涼んだのち「午後はそういえば、スルポン線で客車列車に乗ったことはあるものの電車には乗ったことがないので (何せスルポン線は東急車が入線しませんので、毎年訪問しても撮り鉄したことなし ^^;;)、電化区間の終点であるパルン・パンジャンまで往復してみようか」と思ったのでした。そこでジャカルタ・コタからカンプン・バンダン行の短距離シャトルに乗り、さらにジャティヌガラから来たデポック行の8618Fに乗り、8500系でのカンプン・バンダン以西・環状西線初乗車を楽しんでいたところ、いよいよ名所 (迷所? ^^;)・線路市場がある、タンゲラン線との分岐駅ドゥリに到着~。とりあえず、タンゲラン線は時刻表上毎時0分発となっており、自分が乗っているデポック行は時刻表上連絡しない以上、タンゲラン線の発着ホームである3番線を注目しても仕方がありません。
 ところが……何と!既に0分をとっくに過ぎているというのに、その3番線で東急8039Fが発車待ちしているではありませんか!! 一瞬、余りにも想定外の事態ゆえ、何がどうなっているのか分けがわからず、ただドアの向こうに見える8039Fをポカーンと眺めていたのですが、次の瞬間「これはパルン・パンジャンどころではない! 初訪問以来3年ぶりのタンゲラン往復に方針転換だ!」と思い、ドアが閉まる直前にホームに飛び降りたのでした。とはいえ、タンゲラン線の発車時刻もとっくに過ぎ、デポック行からの乗換客を吸い込んだ8039Fはすぐに発車してしまうかも知れず、一方自分が持っている切符はパルン・パンジャンまでのものであり、タンゲランまでのものではないため、速攻で改札外に出て切符を買い直さなければなりません。そこで「まだ発車しないでくれよ……」と祈るような気持ちで切符を購入し、見事間に合ったぁぁっ! もっとも、それは全て取り越し苦労であり、タンゲラン行の8039Fは数分後にタナ・アバン方面から来た列車と連絡してようやく発車したのでした (笑)。どうやら、時刻表上の「毎時0分発」(朝夕は運転間隔が狭まりズレます) というのはあくまで目安であり、環状西線上下列車と適度に連絡をとった上で発車するという超臨機応変な運転となっているようです (笑)。
 そうなると、タンゲラン線のダイヤはガタガタに崩壊では??と思うのですが、心配はご無用。もともと標準ダイヤ自体、途中のラワ・ブアヤ駅での交換を含めて十分余裕のあるものとなっており、しかも8039Fは遅延を回復すべく……「これってほとんど東横特急の武蔵小杉~菊名間じゃないか?!」と思うほどの大爆走!! 時刻表上ではドゥリ~タンゲラン間の所要時間は42分となっているものの、実際には30分ほどで着いてしまいました (滝汗)。ボゴール線のデポック~ボゴール間をはるかに上回るブッチギリの走りは、まさにインドネシア風「ティダッ、アパアパ (まぁ大丈夫)」精神のあらわれかも知れませんが (^^;)、それ以上にタンゲラン線は現在、空港鉄道としての機能も兼ねるべく複線化・線路改良が大々的に進められており、自ずと東急8000系列の高速走行に適した環境が整えられているということでもあります。
 しかしそんなタンゲラン線、3~4年ほど前までは103系の4連準急と非冷房エコノミーの4連がそれぞれ2時間間隔で運行され、しかも線路がガタガタで相当揺れたという過疎気味の路線でした。その後、私が初訪問した3年前の少々前に103系4連が都営6000系6連になったものの、それでも日中はスカスカで、うらぶれた雰囲気は否定出来ず……。それが昨年末のダイヤ改正以来冷房車オンリーの世界となり、しかも今回の訪問に先立ち「インドネシア鉄の宴」にて、メトロ7000系8連が入線したことを伺っておりましたので、タンゲラン線大躍進の気運は何となく感じておりました。それでも、まさか従来ボゴール・ブカシ線系統に君臨する東急8000系列が入線するとまでは予想出来ませんでしたので、とにかく8039Fがタンゲランへ向けて超激走するさまに圧倒されながら、「やはり毎年訪れるごとにジャカルタの電車シーンは違うなぁ!」と痛感したのでした……(*^O^*)。
 そして、終点のタンゲラン駅にてクハ8039の正面を見たところ、行先幕はズバリ「タンゲラン」! この幕も、上記の宴にて確かkucing様あたりから「タンゲラン幕が8039Fに入ったそうだけど、まさかネタ幕過ぎますよね」というお話を伺っていましたので、まさか本当にタンゲラン行として使うために幕も用意したのか!という新鮮なオドロキが (笑)。というわけで、折返しまでの10数分間、とにかく様々なアングルでタンゲラン停車中の8039Fを撮るべくハッスルしまくったのは言うまでもありません (爆)。

第四ジャカルタ炎鉄録 (0) 東西千代田の時代

2012-08-13 13:27:00 | インドネシアの鉄道


 急激な経済発展をとげる東南アジアの中でも最大の人口を誇るインドネシア。その首都ジャカルタには東京首都圏にこそ及ばないものの凄まじい人口が集中し、街中が人とクルマとバイクで埋まりつつあるという危機的な状況を呈しています。だからこそ、インドネシア鉄道 (国営鉄道会社) の子会社であるKCJ (ジャボデタベック通勤鉄道) は、激増する輸送需要に応えるべく日本から中古電車を輸入し続け、その結果今やジャカルタの地は東京の電車博物館の観を呈しているのは周知の通りです。そこで私も、東急8000系列の活躍に刺激されて2009年に初訪問して以来、その独特の雰囲気にのめり込んで通っているところであります (笑)。
 そしてこのたび、現地で使える時間を計5日確保し、1年ぶりの再訪を果たして参りました。そこでこれから、私なりにとらえた現地の最新事情をレポートし、ご興味をお持ちの奇特な方のご参考に供したく存じます。
 まず総論として申しますと……東急電車を最大のお目当てとして訪れようという方は、既にその機を逸したと言っても過言ではないでしょう。と申しますのも……昨年来の猛烈なメトロ05・6000・JRE203系の導入に加え、これまで散々酷使されてきた東急8500系に長期離脱車が発生していることから、本線格のボゴール・ブカシ線が完全に「東京メトロ東西・千代田線」状態になっているためです (超爆)。あるいは、今回非常に調子が良かった東西線5000系及び東葉高速1000系も含めて、「東京メトロ・ジャボデタベック線」という雰囲気が炸裂しているのです……。



 勿論、来る電車は全て撮るという心構えで臨みましたので、東京メトロ系車両でも構わないのですが、東急8000系列の入れ食い状態だった昨年までと比べると余りにも変化が大きく、東急ファンとしてはへこみます (^^;)。もっとも、確実に動いていないのは8604・8607・8613Fのみで、残りの東急8000系列は大活躍していますので、決して数は少なくないのですが、それでも「当たりにくくなった」と感じるのには理由があります。
 (1) 運用が全く固定されず、朝ラッシュが終わると入庫する編成が多いため、運が悪ければ東急8000系列が日中余り走らない。
 (2) 昨年12月ダイヤ改正による運行系統変更の結果、環状東~西線とボゴール線を直通する列車が増え、ジャティヌガラからボゴールまで片道2時間かかるため、この運用に入った車両は沿線で見張っていても長時間来ない。とくに、中央線のジャカルタ・コタとマンガライの間で待ち構えているとアウト (滝汗)。
 (3) 中央~ボゴール・ブカシ・環状線以外にも東急8000系列が運用される路線が増え (後日詳細にレポートします)、ばらけた感じで走っている。

 ……とまあこんな感じで、東急車について言えることは他のすべての編成についても言えることですので、総じてお目当ての編成を撮り貯めるのは運次第という雰囲気が極めて強くなりました。これはもうギャンブルです……。急行が運転されていた頃は、東急8000系列が急行運用の花形だっただけに、数本の8000系列が短時間のうちにジャカルタ・コタとボゴール、デポック、ブカシの間を往復し、それが一層「東急8000系列天国」を演出していたのですが、最早遠い過去の話……。このため、とにかく勝手が変わって苦労の連続ではありましたが、それでも5日間激闘した結果、少なくとも最大のお目当てであった東急8000系列・JR203系・メトロ6000系については、そこそこ撮影成果を収めることが出来たかな?と思っております。
 ただ、先述の東急8500系3本に加え、期待していた車両が全く出て来なかったのは痛恨の限りです……。東海色となった103系が全く運用に入っていないとは! (このへんの事情もいずれ詳述します) 
 何はともあれ、日本中古車・日本製非冷房車・客車列車と各種車両が入り乱れ、車両の陣容も、そして遅延も (@_@) カオスの度を増しつつあるジャカルタの鉄道シーン、これからじっくりとお楽しみ頂ければ幸いです。
 なお今回の訪問に際し、現地発信のブログを始められたパクアン急行様の情報を大いに参考にさせて頂きました。また、現地のファン・Adam Faridi様には楽しいひとときを共有させて頂きました。この場を借りて御礼を申し上げます m(_ _)m

 以下、いくつかお断り、そして気づいた点を……
 * 例によって線路内に立ち入りまくっておりますが、原則線路内立入禁止です。単に線路内を歩く沿線民同様、黙認されているに過ぎません。
 * 写真撮影は原則として許可制です。しかし私の場合、今回も全く無許可で撮影しました。某駅で撮影中、制服を着た幹部職員 (?) に「izin (許可) はあるのか?」と訊かれ、「申し訳ない。日本から来たクレタアピ・マニアである」と答えると、突然親指を立てて「Good!」となりましたが (笑)、これもひとえに、これまで日本とインドネシアの鉄道関係者のあいだで構築されてきた信頼関係、あるいは現地を訪れた日本人ファンが安全に配慮し敬意を以て係員に応対してきたことの積み重ねかと存じますので、くれぐれも「日本人だから何をしても良い」と誤解することのなきようお願い致します。あるいは、私が持っていた白玉つきデジ一眼を見て、商業用の撮影ではないかと勘繰ったのかも知れません。
 * 公式HPに載っている昨年12月のダイヤと比べて、現在のダイヤはデポック~ボゴール間の本数が減っている (デポック出入庫のつもりを何故ボゴールまで延長運転なのか……-_-) ほか、所定ダイヤと比べて10~20分ほど遅れるのが恒常化しており、今日来た列車が明日同じ時間に来るとは限らない……遅れすぎると無理矢理次の同じ行き先の列車スジに重ねるという、何ともギャンブル性が強烈な世界となっております。その一因として、長距離列車の発着駅であるガンビール駅やパサールスネン駅での機回し待ち、あるいは一大ジャンクションであるマンガライ駅のポイント切り換え待ちなど、かねてから存在する問題が本数増加で一層顕在化していることが考えられます。本数が少なければ客をさばけず、本数を増やしてもダイヤが乱れやすくなり……現在の線路設備を前提とすればかなりヤバい状況になっています (汗)。その一方で、時刻表に載っていない列車がひょっこりジャンジャン来たり……いやそもそもその列車自身も大幅に遅れているだけなのかも (滝汗)。
 * 昨年12月以来、上記の線路設備の限界 (とくにマンガライ駅のパンク状態) をある程度緩和させるため、環状線主要駅において乗り換えることが前提となっています。その結果、車内検札のルール・パターンも変わりました。昨年までは環状線・中央線においても、冷房車に乗るとすぐに体格が良い切符切りの兄ちゃんが切符を切りに来たものです。しかし現在では、環状線内では車内検札せず、列車が環状線の外側に出たときに初めて検札に来ます。では、環状線内では検札に来ないことから、運賃をちょろ負かすことは出来るのか……? それは、改札口にてコワモテの兄ちゃん駅員がドカッと居座り、きっちりと切符を回収していますので不可能です (昨年までは改札口に誰もいないのもしばしばでした)。無札乗車は最高で50,000ルピアのペナルティを科すぞ!という貼り紙が車内のあちこちに貼ってあります。
また、下りホームと上りホームの双方に改札口がある駅が多いため、「改札口から外に出ない限り日本と同じように下り・上りホームを行ったり来たりしながら駅撮りする」というのは不可能となりました。
 *お盆休み近くだけに、日本人撮り鉄があちこちに……と思いきや、他に全く日本人撮り鉄を見かけませんでした (笑)。ま、いくらRM誌やRP誌に載るとはいっても、わざわざ行こうという人は極めて少なく、基本的に内向きなのが日本の鉄道趣味事情なのでしょうか。

復活祈念!秩父鉄道のC58 363

2012-08-07 00:00:00 | 地方民鉄 (秩父)


 観光客の利用が非常に大きなウェイトを占める地方民鉄にとって、いよいよ書き入れ時となるお盆休みが迫っていますが、その矢先に悲しい話題が飛び込んで来ました……。何と、パレオエクスプレス運行準備のため広瀬川原構内で入換をしていたC58 363が、踏切を通過して大麻生側に入ったところで脱線し、車体はかなり傾いて前輪を破損……(号泣)。これは即ち重度の破損を意味しますので、修理には相当の期間を要すると思われ、秩父鉄道公式HPでは「当分のあいだパレオエクスプレスは《ELパレオエクスプレス》として運転する」旨が告知されています。



 嗚呼……折角今年に入って12系を大幅に模様替えし、パレオエクスプレス運行に注ぐ秩父鉄道の気合いはますます高まっているはずでしたが、C58 363は絶不調のため蒸電運転を繰り返した挙げ句、ついに激しく破損してしまったとは……。リニューアル12系との組み合わせを撮りたいと思いつつも、多忙にかまけて秩父沿線まで足を延ばす機会をなかなか確保出来ないうちにこのような事態となってしまい、非常に悲しくやるせないものを感じます。
 原因が果たして車両側にあるのか、それとも引き続く高温のためにレールに支障が生じてしまったことによるのか、今後の調査に俟ちたいと存じますが、まずは然るべく究明がなされ、いずれ再びC58 363が元気な姿を見せる日が来ることを心から祈念したいものです。

※7日付記事としてアップしております。

梅雨ときどき東武 (3) 野田線8000系

2012-08-06 00:00:00 | 大手民鉄 (東武)


 関西では将来的に節電のため次第に現在の直流モーター車天国ぶりが変容して行くことになりそうですが、既に関東では直流モーター車が主流であるという路線は減少の一途をたどっているわけで……とりわけ抵抗制御の鋼製車のみで運用されている大手私鉄の長大路線である東武野田線は、最早まるごと昭和高度成長期の産業遺産といっても過言ではないかも知れません。もちろんこのことは、高度成長期に製造されたシブい車両Love・東武8000系Loveという立場から肯定的に申し上げているのですが (あくまで趣味のブログですので)、最近ついに野田線の車両置換計画もあらわになって来たようで……とりあえず今年度は2編成程度にとどまるものの、数年後には8000系帝国としての野田線は跡形もなくなることでしょう (T_T)。野田線への新車が50000系列になるのか、それとも全く別の車両になるのかは見当もつきませんが、何はともあれ野田線のかつての盟主・釣掛5070系が野田線を去ってから早いもので約8年、既に車齢30年を超えた鋼製車8000系が野田線という天下を総攬する時代はもう長くないのでしょう……。



 というわけで、既に一ヶ月半前の話となってしまいましたが、梅雨の中休みに久々に東武を訪ねた際のカットの続きです (^^;)。この日はとりあえず伊勢崎線で6050系や東急8500系を賞味し、草加駅前の珍○本店に久々に入って太麺なラーメンを賞味したのは良かったものの、やっぱり白い車体に青い帯の8000系が来ないのは寂しい……という思いが沸々と。いや勿論、全く来ないわけではなく、亀戸・大師線で運用される2連の出入庫のため、忘れた頃に猛スピードでやって来るのも事実ですが、久しぶり過ぎてすっかりその存在を忘れており、気が付いてみればカメラを構える暇もなく後ろから現れてキカスへと走り去って行きましたとさ……(滝汗)。
 そこで「う~しまった。やはりこの悔しさは、久しぶりに野田線を訪ねてみろという天の声なのだろうな」と思いまして、20000系と東急8500系を乗り継いで春日部へ! 春日部駅は高架化大改造の話がちらほらあるようですが、未だ古き良き《粕壁》という風情のホーム上屋を眺めますと、かつて5070系乗りたさで小まめに訪れた頃のことを思い出します……(笑)。そんな感傷に浸っていると、野田線ホームには大宮・柏行きの8000系が到着~! 一歩車内に踏み込んでみますと、車内更新を受けているとはいえ、鋼製の塗りドアなどからして「嗚呼……8000系に乗っても物凄い旧型電車という印象を受ける時代になってしまったか……」という感慨がこみ上げて来ます。もっとも走り始めると、相変わらず静穏で重厚な走りを魅せてくれるのは、さすが基本が超しっかりしている8000系だけのことはあります♪
 少々乗った後は、ちょうどうまい具合にド順光となる駅及びその付近で何本か撮影に興じたのですが、立て続けに幕車ばかりで来てくれたのは何ともラッキーでした☆ もっとも、大宮行きばかりでもアレですので、そのうちちゃんと岩槻・春日部・七光台・運河・柏・船橋etc...といった幕も撮っておかなければと気を引き締めた次第。恐らく幕車から廃車が進んで行くことになりそうですので……(それとも幕・LED関係なく検査切れ順?)。しかし、よくよく考えてみれば……野田線は度重なる部分複線化などの輸送力増強の結果、日中は大宮~柏・柏~船橋の各系統がキレイに10分間隔に整理され、区間運転列車天国だった頃は偲びようもなくなっていますので、こりゃ区間運転を撮るのであれば早起きしなければなりませんなぁ……(それが幕車で来るとは限りませんし。汗)。