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ミステリ感想-『転・送・密・室』西澤保彦

2002年09月16日 | ミステリ感想
~収録作品~
現場有在証明
転・送・密・室
幻視路
神余響子的憂鬱
〈擬態〉密室
神麻嗣子的日常


~感想~
『現場有在証明』
(ネタバレ→)サイフのくだりが肝である一方、アキレス腱にもなったような。逆にトリックが脆弱になった印象。

『転・送・密・室』
見事な逆転。(ネタバレ→)タイトルからして「瞬間移動死体」を想起させるが、その逆をつくとは。

『幻視路』
あからさまなどころか、そのまんまの伏線はいさぎよさを通り越して安易では。

『神余響子的憂鬱』
動機がすこし……。新キャラ二人は強烈でお目見え編か。

『〈擬態〉密室』
トリックは本書中、最も強引。短編でもストーリーが動きだしたのはいい。

『神麻嗣子的日常』
さすがは西澤保彦。普通の着地はしない。矛盾を山と抱えそうだが面白くなった。ってか後付けだろ絶対!


~総括~
西澤氏にしては切れ味を欠いた作品ばかりだが、ストーリーが思わぬ方向に転がりだしたのは期待が持てる。
シリーズファン必読。


02.9.16
評価:★★★☆ 7
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