~あらすじ~
「助けてくれ、カンキンされている」
そう書かれた一枚の紙切れを廃品の机から見つけた美哉は、単身でそのメッセージの真相を追う。
一方、荒れた生活から足を洗った恋人と婚約した義人は、彼女の両親を探す。
一方、職を失った泰夫は知り合った老婆から「命を狙われている」と相談を受ける。
一見、なんの関わりもなさそうな3つの事件は、裏でつながっているのか?
~感想~
点と点がつながり一本の線となり、ちりばめられたピースが定められた位置に収まり、一つの絵を描く。そんな形式のお手本のような作品。
たびたび挟まれる謎めいた独白や、3つの異なった視点とくれば、中町信ばりのあの仕掛けを期待してしまうところだが、本作はミステリとしての濃さはほとんどない。よってこの趣向ならば当然あるべき時間軸を用いたトリックもほぼ存在せず、読者を驚かせてやろうという試みは見当たらない。
が、話が進むほどにピースがぴたりぴたりとはまっていき、物語として許容範囲の都合の良い展開は一息に読ませてくれる。
どんでん返しやミステリ的な大仕掛けを期待しなければ、充分面白い佳作である。
07.6.21
評価:★★★ 6
「助けてくれ、カンキンされている」
そう書かれた一枚の紙切れを廃品の机から見つけた美哉は、単身でそのメッセージの真相を追う。
一方、荒れた生活から足を洗った恋人と婚約した義人は、彼女の両親を探す。
一方、職を失った泰夫は知り合った老婆から「命を狙われている」と相談を受ける。
一見、なんの関わりもなさそうな3つの事件は、裏でつながっているのか?
~感想~
点と点がつながり一本の線となり、ちりばめられたピースが定められた位置に収まり、一つの絵を描く。そんな形式のお手本のような作品。
たびたび挟まれる謎めいた独白や、3つの異なった視点とくれば、中町信ばりのあの仕掛けを期待してしまうところだが、本作はミステリとしての濃さはほとんどない。よってこの趣向ならば当然あるべき時間軸を用いたトリックもほぼ存在せず、読者を驚かせてやろうという試みは見当たらない。
が、話が進むほどにピースがぴたりぴたりとはまっていき、物語として許容範囲の都合の良い展開は一息に読ませてくれる。
どんでん返しやミステリ的な大仕掛けを期待しなければ、充分面白い佳作である。
07.6.21
評価:★★★ 6