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ミステリ感想-『弥勒の掌』我孫子武丸

2008年06月22日 | ミステリ感想
~あらすじ~
妻が失踪して途方に暮れる高校教師。
愛する妻を殺され、さらに汚職の疑いをかけられたベテラン刑事。
事件の渦中に巻き込まれた二人は、やがてある宗教団体の関与を疑い、ともに捜査を開始するのだが……。


~感想~
もういまさら隠す必要すらないくらい「アレ系」のトリックだと知れ渡ってしまったが、それでも真相が明かされたとたん、目が点になった破壊力はすばらしい。
だが探偵役の推理方法が、他に方法がないとはいえあんまりにもあんまりだったり、あいかわらず着地がぐだぐだで適当だったりと、難点がいろいろと目に付く。
しかしアレ系トリックの理想型とも言うべき、ぎりぎりの綱渡りと、真相が持つ一発の重さは、一読の価値がある。
アレ系ファンならばぜひどうぞ。


08.6.22
評価:★★★ 6
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