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ミステリ感想-『三月は深き紅の淵を』恩田陸

2009年04月07日 | ミステリ感想
~あらすじ~
鮫島巧一は趣味が読書という理由で、社の会長の別宅に招待を受けた。彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、その屋敷内にあるはずだが、十年以上探しても見つからない稀覯本『三月は深き紅の淵を』の話。
たった一人にたった一晩だけ貸すことが許された本をめぐる連作短編集。


~感想~
三章までは間違いなく傑作だったのが、終章で一気にひとりよがりな駄作に落下。
張った伏線を回収する気も、広げた風呂敷をたたむつもりもないのはもちろんのこと、冒頭をひたすら推敲するだけの、なんの意味があるのかわからないエッセイ(?)に、他の著作の体験版を収録という気ままさ。
雰囲気だけで引っ張る作家なのは承知しているが、ここまでフリーダムに振舞われるとドン引きである。

それにしてもこれがこのミス9位なのはいいとして、本ミス8位とはなにを血迷ったのだろうか。


09.3.13
評価:★☆ 3
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