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ミステリ感想-『秋期限定栗きんとん事件』米澤穂信

2009年04月11日 | ミステリ感想
~あらすじ~
あの日の放課後、手紙で呼び出されて以降、ぼくの幸せな高校生活は始まった。
学校中を二人でめぐった文化祭。夜風が寒かったクリスマス。お正月にはそろって初詣。ぼくに「小さな誤解でやきもち焼いて口げんか」みたいな日が来るなんて。
それなのに、小鳩君は機会があれば彼女そっちのけで謎解きを始めてしまい……。


~感想~
こ れ は 酷 い。
と言っても作品として酷いのではなく、シリーズキャラを押しのけ、新主人公のように上巻からメインを張るキャラへの扱いが、マジ容赦ねえ。
上巻では小山内さんも小鳩くんも後方に下がり、事態を見守っているのだが、下巻にいたって一変。超上から目線で新主人公(?)をこき下ろし、終章にいたっては完全シカトで影すら現させず、エンドクレジットが流れるあたりでは単なる脇役に追いやる始末。
そういえばあらすじも新主人公(?)は超スルーだし。
あれ、この流れはどこかで見覚えが……と思ったら「ガンダムSEED DESTINY」だこれ。
分量のわりにトリックも事件も小粒で、すこし冗長なきらいはあるが、小市民シリーズによる種死展開だけでも一読の価値はアリ。


上巻09.3.18
下巻09.3.20
評価:★★★☆ 7
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