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~あらすじと感想~
ホラー映画に新機軸を取り入れた意欲作。
この作品はさる失踪したオカルトライターが残したビデオ映像を編集したものである――という体裁で、ノンフィクションを装っているのだが、それが非常に徹底しており、たとえばそのライターと著作の出版社のサイトを実際に用意し、ライターの日記には本編の内容に即した取材記録が書かれている、という念の入れよう。
キャストも劇団員や無名のアイドルなどで固め、実にそれ(うさんくさい心霊ビデオ)っぽい演出がなされている。しかも公開当時はフィクションであることは伏せられ、実録ビデオであるからエンディングではスタッフロールも流れず唐突に幕を閉じるという構成で、観客の度肝を抜いたという。
当時は、といったが現在でもこれはフィクションだとは誰も明言しておらず、オカルトライターらを演じた劇団員らがいまも存命であるといった傍証から「実話ではない」と推測されるだけに留まっており、あくまでも真相は隠されたままなのだ。いやはや面白い趣向を考えたものである。
ちなみにストーリーも閉村の因習を巧みに仕込んだ、実に雰囲気のあるもので、ときおり指摘されるとおりまるで「ひぐらしのなく頃に」のアナザーストーリーといったおもむきで、もし雛見沢ダムが建設されていたらこんな外伝が起こっていたやも……と思わせ、そういった側面からも楽しめるだろう。
評価:★★★☆ 7