
~あらすじ~
必要なし。
~感想~
タイトルから想像されるとおり、制服姿のミニスカ女子高生がハイキックで次々と悪漢を蹴散らす――それだけ書くと悪夢のような映画を思い浮かべがちだが、今作はたったひとつの要素によりある種のマニアを満足させる作品へと変えてしまっている。
その要素とは「出演者が全員格闘技経験者」である。
たとえば主役の武田梨奈は現役女子高生ながら琉球空手で全国大会を制している。彼女と対戦する小林由佳は世界大会銅メダリスト、渡辺久江は格闘技団体DEEPのライト級王者――他にも合気道や空手の有段者は枚挙に暇がなく、本物による本物のアクションシーンがくり広げられる。
なんせ監督の西冬彦自ら半裸で(それなりに)鍛え抜かれた肉体を披露し、ヒロインにハイキックを浴びせるわ、顔面蹴りをやり返されるわという始末で、もちろん言うまでもなくストーリーなんてものは全くないに等しい。立ちふさがる敵をひたすら倒していくだけの、あえて説明するならファミコンの『スパルタンX』みたいなものである。
しかしそのアクションの激しさたるやかの『マッハ!!!!!!!』も真っ青で、遠慮なしに顔面や頭部に蹴りをめり込ませ、ぐらんぐらんと脳が揺れているさまを何度となく見せつけてくれるのだ。
後半にいたっては、もうハイキックでもガールでもなくなり日本空手協会師範の中達也が、群がる悪漢を次々と武骨にして実戦的な空手の型で一撃必殺していく勇姿を、長回しの一発撮りで存分に堪能させてくれる。……あれ? 主役はこっちだっけ?
というわけで、この作品は外見と反して、格闘技マニアによる格闘技マニアのための映画なので、くれぐれもパッケージに惑わされないようご注意を。
なお豪華版DVDには監督と格闘家による技解説や、負傷者続出の壮絶な撮影風景、そして中達也師範による実技指導と、普通の映画では考えられないラインナップになっているそうなので、格闘技マニアはそちらもぜひ。
評価:★★★ 6