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ミステリ感想-『夢ごころ』連城三紀彦

2015年09月12日 | ミステリ感想
~あらすじと感想~
もともとは「新・雨月物語」として発表されたものを改題した短編集で、各編のタイトルも上田秋成の「雨月物語」にちなみ、内容もオマージュに富んでいるらしい。
雨や月を印象的なモチーフに用い、現実から乖離した幻想小説が多いが、この作者らしいどんでん返しも仕組まれている。
しかし連城もどんでん返しも好物なのだが(あくまで個人的には)幻想小説の範疇でそれをやられると「お、おう……」となってしまい心からは楽しめない。
普段の恋愛物やミステリよりも過剰な仕掛けやどんでん返しも多いのだが、なんでもありのジャンルでは縛りが無さすぎて若干引いてしまうといったところか。
だが幻想小説や幻想ミステリ好きなら文句なしに楽しめることは間違いなく、仕掛けに引いてしまっても、深く印象に残る作品群である。


15.8.26
評価:★★☆ 5
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