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ミステリ感想-『さよならドビュッシー』中山七里

2015年09月23日 | ミステリ感想
~あらすじ~
ピアニストを目指す16歳の遙。彼女は祖父と従姉妹とともに火事に遭い、全身に大火傷を負ってしまう。
それでも夢を捨てきれず、魔法使いのようなピアニスト岬洋介に習い、コンクール優勝を目指し猛レッスンに励む。
ところが周囲で不吉な出来事が次々と起こり、やがて殺人事件まで発生する。

09年このミス大賞受賞。


~感想~
トリックはノーガードでモロバレだし、色んなエピソードは置き去りだし、主人公は辻村作品かってくらいむかつくし、探偵は神だしと不満は多々あるが面白いは面白いという、いかにも有望新人のデビュー作っぽい作品。
およそ八割の読者があっ(察し)となるだろうが、それを差し引いても物語自体が興味を引き、何かと腹黒く絵に描いたような完璧超人の探偵役のキャラも立っており、映画化も25万部の売上も納得がいく。
ベテラン作家ばりの安定感を誇る作者の48歳のデビュー作として、十全ではないが必要にして十分だろう。

読了後にはもはや作品そのものよりも良く出来ていると言って過言ではない、wikipediaの記事もぜひ読んでいただきたい。


15.9.19
評価:★★★ 6
コメント (2)