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1.「金田一少年の事件簿は好きだよ」層へのミステリガイド-2

2016年03月09日 | 初心者ミステリガイド
STEP 2 島田荘司を読もう

「金田一少年の事件簿」が好きならきっと島田荘司も読めるだろう。
それこそ金田一がトリックを丸パクリした作品もいくつかあり、作者の代表的シリーズの主人公である御手洗潔は、おそらく日本一人気のある名探偵である。
「奇想」と呼ばれる大掛かりなトリックと大胆なストーリー展開で人気を博し、新人作家の育成や海外展開にも熱心で今や「ゴッド・オブ・ミステリ」というちょっと恥ずかしい称号も得ている。



御手洗シリーズの長編は「占星術殺人事件」を皮切りに番外編を入れて16作、短編集も数多い。大まかな話の流れはあるものの、他作品のネタバレはほとんど無いので、どれから読んでも構わないが「龍臥亭事件」だけはなるべく後回しにして欲しい。



また「寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁」から始まる吉敷竹史シリーズは刑事を主人公に、時刻表やアリバイを絡めながらもやはり「奇想」にあふれる作品群で、「龍臥亭幻想」では御手洗潔との競演まで果たしている。
ただしこちらのシリーズは作品に意外なつながりがあるので、できるだけ刊行順に読んで欲しいところだ。
おすすめは「北の夕鶴2/3の殺人」で、シリーズの重要人物も初登場するのでこれから読むのも良いだろう。



作風は幅広くファンタジーやコメディまで書いているが、とにかくハズレの少ない作家で、ノンシリーズの他作品もどれも面白いので、御手洗シリーズだけではなく色々と読んでもらいたい。
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