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1.「金田一少年の事件簿は好きだよ」層へのミステリガイド-3

2016年03月12日 | 初心者ミステリガイド
STEP 3 新本格派を読もう

綾辻行人と同時期にデビューした作家は「新本格派」と呼ばれ、今なお第一線で活躍している。綾辻が面白かったなら彼らもぜひ読んで欲しい。
今回は歌野晶午、法月綸太郎、我孫子武丸の3人を紹介する。



歌野晶午は映画化もされた「葉桜の季節に君を想うということ」がベストセラーとなった。
基本的にハズレの少ない作家で、また長編のシリーズ物がほとんど無いためどれから読んでも構わない。



短編集の「密室殺人ゲーム」シリーズは殺人鬼たちがチャットに集い、自ら犯した殺人事件のトリックを出題するというイカれた作品で、ゲーム仕立てならではの奇想天外なトリックと推理バトルが楽しい。



法月綸太郎はロジックの名手で、特に作者と同名の名探偵が登場する法月綸太郎シリーズの短編・中編は傑作揃い。
初期作品群がどうにも癖が強く、好き嫌いが分かれるが、短編はとっつきやすいのでまずそこから取り掛かるのも悪くない。特に「法月綸太郎の新冒険」は個人的に短編ミステリの最高峰と評価している。



我孫子武丸は歴史的名作ゲーム「かまいたちの夜」の作者で、スラップスティック的な明るく楽しい作品をいくつも書いている。
だが代表作と目されるのは微塵の明るさもない「殺戮にいたる病」で、衝撃の結末に度肝を抜かれること請け合い。

それぞれ異なった作風の三人なので自分に合う作品を探してみよう。
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