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ミステリ感想-『虚像のアラベスク』深水黎一郎

2018年06月30日 | ミステリ感想
~あらすじ~
創立15周年記念公演が迫る中、バレエ団に公演中止を迫る脅迫状が届く。
海外の要人も鑑賞を予定しており、警備を命じられた海埜警部補は芸術に詳しい甥の神泉寺瞬一郎に協力を求めた。
演目の「ドンキホーテ」には危険となりうるシーンも多く、有力な被疑者も浮上。そして舞台の幕は開いた。……「ドンキホーテ・アラベスク」

他に中編「グラン・パ・ド・ドゥ」と掌編を併録。


~感想~
うん。たぶん作者は馬鹿なんだと思います。(※褒め言葉)

これとこれを思いついてこう組み合わせてしまうという、稚気というか悪意というかに脱帽。
ネタバレを避けるためあまり詳しいことは言えないのだが、まさか2つ目の方を先に思いついたんじゃないだろうな!?

言われる前から確かにいろいろあった不自然さや不可解な点が、まとめて砕け散り、後ろから現れた情景には唖然とするとともに膝から崩れ落ちること請け合いのやり口は、完全に早坂吝の案件。
想像を絶することを保証するので、前評判を聞いて少しでも興味があるならぜひ読んでいただきたい。

絶対確実に間違いなく1位になることは無いが、年末のランキングではたしてどんな評価をされるのか今から楽しみでならない。


18.6.28
評価:★★★☆ 7
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