~あらすじ~
小説家の私は、ファンレターに書かれた怪異に既視感を覚え、同じマンションの別の部屋で良く似た怪異が起きていると気づく。
ファンの女性と協力して調査を進め、怪異の原因を突き止めようとするが…。
2012年山本周五郎賞、このミス17位
~感想~
なぜかこのミスでランクインしたが純然たるホラー小説。
ホラーだから当たり前なのだが、怪異が起こりその原因を探ると伏線が見つかるという、いわゆる伏線の後出しが延々と続くので、ミステリとしては読みようもないはずなのに、なぜそんな上位に推されてしまったのか意味がわからない。
明言こそされないが作者本人を語り手に据え、虚実入り混ぜた構成で話は進行し、最後には大本の原因となったものも突き止められる。
「残穢」というオリジナルの概念は面白く、それが作品世界を超えて読者にも襲いかかるという趣向はわかるが、なにぶん大本の原因が事実か否かわからない、というか事実だったら作者が悪趣味すぎるのでまず間違いなく虚構であり、それでもなお明日は我が身と怖がれるかどうかは評価の分かれるところであろう。
いわゆるモキュメンタリーは小説と相性が悪いと個人的には思っているが、その評価を覆すことはできなかった。
19.12.18
評価:★★☆ 5
小説家の私は、ファンレターに書かれた怪異に既視感を覚え、同じマンションの別の部屋で良く似た怪異が起きていると気づく。
ファンの女性と協力して調査を進め、怪異の原因を突き止めようとするが…。
2012年山本周五郎賞、このミス17位
~感想~
なぜかこのミスでランクインしたが純然たるホラー小説。
ホラーだから当たり前なのだが、怪異が起こりその原因を探ると伏線が見つかるという、いわゆる伏線の後出しが延々と続くので、ミステリとしては読みようもないはずなのに、なぜそんな上位に推されてしまったのか意味がわからない。
明言こそされないが作者本人を語り手に据え、虚実入り混ぜた構成で話は進行し、最後には大本の原因となったものも突き止められる。
「残穢」というオリジナルの概念は面白く、それが作品世界を超えて読者にも襲いかかるという趣向はわかるが、なにぶん大本の原因が事実か否かわからない、というか事実だったら作者が悪趣味すぎるのでまず間違いなく虚構であり、それでもなお明日は我が身と怖がれるかどうかは評価の分かれるところであろう。
いわゆるモキュメンタリーは小説と相性が悪いと個人的には思っているが、その評価を覆すことはできなかった。
19.12.18
評価:★★☆ 5