小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『ラッシュライフ』伊坂幸太郎

2018年08月10日 | ミステリ感想
~あらすじ~
富豪の画商に引き抜かれた画家の志奈子。独特の美学を持つ泥棒の黒澤。父を自殺で失い、神のような男に憧れる河原崎。不倫相手の妻を殺そうと企む京子。職を失い、なぜか野良犬に懐かれた豊田。
歩くバラバラ死体の噂が街には流れ、彼らの人生が奇妙な連関を見せる。

2002年このミス11位


~感想~
信者がほうぼうで絶賛しているが要するに街。セガサターンの街。
伊坂が書いた街なんて面白いに決まっているが、デビュー2作目とあって河原崎の章と京子の章がただ状況に沿うためだけに無茶苦茶な心理と行動を繰り返しており、都合が良いにも程があるのが難。
そこを除けば登場人物たちの意外な連関や、霧が晴れるように全体の構造が明らかになる筆運びには目をみはらせるものがあるが、やはり後の超傑作「ゴールデンスランバー」などと比べれば伏線は足りず、河原崎らの章は論外としても、いろいろと粗いのは確か。
しかしこのミス11位は若干謎だがエンタメとしては及第点以上で、伊坂幸太郎の名が広く知られるきっかけとなったのも納得の佳作ではある。


18.8.6
評価:★★★ 6
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ミステリ感想-『機龍警察 未亡旅団』月村了衛

2018年08月09日 | ミステリ感想
~あらすじ~
機龍警察シリーズ第四弾。
家族を奪われた妻や母、娘ら女性ばかりで構成されたチェチェンのテロ組織「黒い未亡人」が日本に潜入。
砂の妻・剣の妻・風の妻と呼ばれる三人のリーダーの駆る機甲兵装と、自爆を駆使した巧緻な采配だけではなく、未成年のテロリストと対峙する困難に特捜部はさらされる。

2014年このミス5位、文春9位


~感想~
主役級のパイロット3人の過去編が終わり、本作では由起谷や城木ら脇を固める面々の過去が描かれる。
シリーズ最高傑作の前作にはさすがに及ばないが安定感は変わらず、過酷なテロの現実や張り巡らされた陰謀、刑事たちの調査にお待ちかねのロボットバトルと、この作品に期待するものは全て揃っている。
多くを語る必要はなく、シリーズファンなら黙って読めばいい、いつもながらの良作である。


18.7.31
評価:★★★☆ 7
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今週のキン肉マン #255 三大奥義、陥落!!

2018年08月06日 | 今週のキン肉マン
・カナディアンマンも披露してたSTFでは技巧アピールにならないぞ
・旧式だからという弁解はシルバーマンに向けてのものだろうなあ
・旧式ということは新型もすでに完成しているのか
・逆に壁の方から当たりに向かってくるとかどうだろう
・アリステラへの絶対の信頼感
・掌で包まないオメガカタストロフドロップ使うのか!
・今まで温存していた背中のトゲを駆使しだすマリキータ
・素直にそれを出してればほとんどの技を返せたもんな
・ミミックニードルから天道羽根抜刀につなげてれば勝ってた気もする
・アリステラは六槍客にとってのキン肉マン
・ヘイルマンがブロッケンでマリキータがラーメンマン
・パイレートがロビン、ギヤマスターがウォーズマンだろうなあ
・ルナイトはウルフマンでいいや
・テリーマンがいなくなった
・金で仲間を買ったに見事に動揺するゼブラ
・マリキータピカレスクギロチン全然ギロチン要素無い
・ロールシャッハで黒のゼブラを暴く展開キターー
・しかもシマウマ・キッド!
・やるんじゃないかと思ってたことを片っ端からやってくれる
・今のゆでには我々の心など手に取るようにわかるのだろうか
・だからロールシャッハはそういうくっきり出るものじゃない
・それにしてもシマウマの画力高すぎだろww
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コガトナ2018 窓口

2018年08月05日 | お笑い
開催中のコガトナ2018についてご意見・ご質問等ありましたらこちらのコメント欄やチャット室、ツイッター等にお知らせください。
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SCP-1561~1570

2018年08月04日 | SCP紹介
SCP-1561 - The Tyrant's Pretext (暴君の託け)
高貴なる王冠。被った者はまるで王のような最高の権力者と見なされ、周囲の者は王に仕える臣下のように振る舞う。視認しなくてもこの比類なき王冠について言及すると王を称えるように格調高い文体になる。ある財団施設がこの陛下のSCP-1561に支配され、財団に託けを与えたもうた

SCP-1562 - Tunnel Slide (隧道滑り)
ある廃公園の滑り台。頭を下にして両腕を脇に折りたたみ、腹ばいに滑り下りた人物は消失する。消失後も通信機器により会話出来るが、狭い隧道のようになっていること、前方に先に消失した人物がおり、延々と同じ会話を繰り返していること等が確認された

SCP-1563 - Property Markers
未翻訳

SCP-1564 - Post-Nibbanic (涅槃の後)
6つの卵型オブジェクト。高度な機械構造で破壊出来ない。それぞれ表面に異なった彫刻がされ、奇妙な収容プロトコルが設定されており、それが守られないとこのオブジェクトを視認した、もしくは形状を記憶している人物は、オブジェクト内部にいると思われる存在とテレパシーで繋がり、語り掛けられる

SCP-1565 - Martian Turtles
未翻訳

SCP-1566 - Free Hugs (ハグしませんか)
「free hugs(ハグしませんか)」とプリントされたTシャツ。人間が着用すると、プリントされた文字を読んだ人物は着用者をハグしたい衝動に駆られる。着用者もハグし返すが限界を超えた驚異的な腕力を発揮するため、しばしば死に至る

SCP-1567 - The Dunne of Gallen (ガレンのダン)
スコットランドのガレントンという町と住民。彼らはパイプラインが全く無いにも関わらず生活し、町に誰かが侵入しようとすると、周囲を走る線路に、強烈な放射線を放つ機関車が現れる。古来からガレンの村を脅かすダンの獣を記した文書があり、最古の物は15世紀にまで遡る

SCP-1568 - Kingston the Crab (大蟹キングストン号)
巨大ヤドカリ。船を殻に用い、現在は漁船キングストン号を殻にしている。漁船が魚を釣るとそれを横取りし、一定時間、漁がされないと転覆させ落ちた船員を捕食する

SCP-1569 - Jumbo Shrimp (巨大シャコ)
巨大シャコ。驚異的なパンチ力を持ち、サメに対して異常な凶暴性を示すが人間には好意的。内部から人間が現れ、実験により人間が装着する水中戦闘用のパワードスーツのような物と推測される

SCP-1570 - The Shocked Woman (衝撃をうける女性)
1989年に61歳で死亡した女性。遺体は腐敗せず、何かに衝撃を受けているような表情を浮かべた現在の姿のイメージを、遠隔地に投影させる。生前に好んでいた猥褻な光景が見られる場所に現れやすいため、財団職員はわざと公然猥褻を犯し投影を誘導している
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映画感想-『電人ザボーガー』

2018年08月02日 | 映画感想
~あらすじ~
世界征服を企む悪の秘密結社シグマに父を殺された大門豊は、父の遺した電人ザボーガーとともに正義を守るため戦う。
だが敵の女幹部ミスボーグとの戦いのさなかに恋心が生じ、そして悲劇は起こった。
25年後、仕事をクビになり糖尿病と腰痛に苦しむ大門豊の前に、シグマの新たな幹部・秋月が現れる。


~感想~
70年代の特撮ドラマ「電人ザボーガー」がなぜか2011年に映画化。
熱心なファンである社長と監督が手を組み、原作愛に溢れた、いや原作愛しか無い怪作が生まれた。

青年編と中年編の二部構成で、青年編ではストーリーこそオリジナルながら、ビジュアルや話の展開は原作のテイストを十二分に残した、チープさ漂う独特の空気感が映える。
原作を一切知らなくても本編終了後のスタッフロールで多くの原作シーンが流されるので安心だし、その忠実過ぎる再現っぷりに度肝を抜かれることだろう。あれもこれもそれも原作通りってどんだけ尖ってんだよ原作。
青年編は全編に渡ってツッコミどころが山のようにひしめくが、手に汗握るバトルと70年代特撮アクションらしい物語とギミックに圧倒され、あっという間に消化される。

続く中年編はすっかり落ちぶれやさぐれた主人公が描かれるオリジナルストーリーだが、むしろ(なぜか)ツッコミの山は後方に下がり、かつてのヒーローの再生を丹念に描いていく普通に熱い物語がもちろん原作をあれこれ忠実にオマージュしつつ展開され、リアルタイムで視聴していた同年代のファンはもちろんのこと、予備知識のない者も燃え上がらせる。

あえて残したチープさや、大半は破天荒な原作のせいだが独特過ぎる世界観で、観る人をある程度は選ぶだろうが、特撮ものに少しでも理解があれば、確実に楽しめるだろう怪作にして快作である。


評価:★★★★ 8
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8月の新刊情報

2018年08月01日 | ミステリ界隈
7月27日 光文社
鯨統一郎 銀幕のメッセージ
中山七里 能面検事


3日 文春文庫
倉知淳 片桐大三郎とXYZの悲劇
若竹七海 錆びた滑車

7日 実業之日本社文庫
伽古屋圭市 ねんねこ書房謎解き帖 文豪の尋ね人

8日 光文社文庫
鮎川哲也 白の恐怖

10日 東京創元社
泡坂妻夫 夜光亭の一夜

10日 講談社文庫
二階堂黎人 増加博士の事件簿

22日 講談社タイガ
名倉編 異セカイ系 ※メフィスト賞
相沢沙呼 小説の神様 あなたを読む物語(上)
木元哉多 閻魔堂沙羅の推理奇譚 業火のワイダニット
望月拓海 顔の見えない僕と嘘つきな君の恋

22日 東京創元社
辻真先 深夜の博覧会

23日 角川書店
湊かなえ ブロードキャスト

24日 角川文庫
辻村深月 きのうの影踏み
貫井徳郎 女が死んでいる
柚月裕子 検事の死命

24日 小学館文庫
東川篤哉 謎解きはディナーのあとで 2

30日 東京創元社
芦辺拓 帝都探偵大戦

30日 創元推理文庫
米澤穂信 王とサーカス

31日 新潮社
島田荘司 鳥居の密室―世界にただひとりのサンタクロース―
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