小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『ねむりねずみ』近藤史恵

2018年09月07日 | ミステリ感想
~あらすじ~
若手屈指の歌舞伎役者の中村銀弥に嫁いだ一子は、話の面白い若ハゲとの浮気に心傾くが、銀弥が徐々に言葉を失っていく心の病に悩む。
一方イケメン以外にこれといった特徴のない私立探偵は、いつでも女口調の女形と、昭和ミステリみたいな少年助手という濃すぎるワトスンを従え劇場内で起こった殺人を追う。

本格ベスト73位


~感想~
話自体はいろいろ無茶であまり楽しめなかったが、2時間ドラマの世界にしれっと紛れ込んだバリバリの本格ミステリの住人を探す、ある意味で人狼形式は興味深かった。
終盤までいたって普通の2時間ドラマだったのに、真相開示とともに「あれ?ジャンル変わった?」というほどの突飛過ぎる動機が飛び出す。
その動機がバリバリの本格ミステリ、それも異セカイもとい異世界本格ミステリの手法であり完全に浮いているものの、この舞台と設定ならば「きわどい!でも…入ってる!(チャンスアップ演出)」とギリのギリで受け入れられよう。
これを二作目で出してくるとはさすが作者は孤島物でデビューした鮎川賞作家なだけはある。「凍える島」超つまらなかったけど。


18.9.4
評価:★★★ 6
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ミステリ感想-『そして夜は甦る』原尞

2018年09月05日 | ミステリ感想
~あらすじ~
私立探偵の沢崎のもとを訪れた男は、右手を見せず名前も名乗らず、20万円を預けて去っていった。
その直後、男が行方を尋ねたルポライターの佐伯について実業家から依頼が入る。
佐伯は離婚調停の場に現れず行方をくらましていた。

1988年このミス2位、文春7位、本格ベスト68位


~感想~
超かっこいい私立探偵・沢崎の無双乱舞を愛でる大人のおとぎ話。
一冊読めば沢崎名言日めくりカレンダーが作れそうな勢いで皮肉を吐きまくり、敏腕刑事と憎まれ口をたたき合いながら阿吽の呼吸で連携し、傷ついた女を据え膳喰わずに家に送り返す。
オヤジ狩りを瞬殺し、大富豪や知事を向こうに張ってもスタイルを崩さず、ヤクザに一目置かれ、沢崎アイでどんな些細な手掛かりや黒幕の気配も見逃さず、必要経費以上の報酬は決して受け取らない。
かっこいい! なんてかっこいいんだ! かっこよすぎて現実感が全く無い!

ぶっちゃけ後半の展開は入り組みすぎて話自体にはついていけなかったが、そんなことはどうでもよくなるほどただ読むことが楽しくて仕方ない。これは熱心なファンが多く付くのも納得である。
冬ならコーヒーでも飲みながら、酒が好きならブランデーでも傾けながら、一字一句見逃せない重厚な大人の無双乱舞をじっくりと楽しむべし。


18.8.29
評価:★★★☆ 7
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1/27のNXT TakeOver Philadelphia #432

2018年09月04日 | 今週のNXT
NXTタッグ王座戦
アンディスピューテッド・エラ(ボビー・フィッシュ&カイル・オライリー) ◯-× オーサーズ・オブ・ペイン(エイカム&レーザー)

(スクールボーイ)防衛成功

ゴング前にペインが襲撃してしまうが特にお咎めはなく普通に試合が始まる。
エイカムがツープラトンのストンピングを決めた際に左足を負傷し、エラがそれを狙い撃ち優勢に進める。
なんとかレーザーに交代すると逆転し、エイカムも負傷を押してツープラトンに加わるが、パワーボムに担ぎ上げた相手を衝突させるいつもの連携が、足の負傷でこらえきれず体勢を崩すと、オライリーが隙をついて丸め込み辛くもベルトを守った。


カシアス・オーノ ×-◯ ベルベティーン・ドリーム
(パープル・レインメーカー)

謎の大声援に背中を押されベルベティーンが猛攻を加えるが、オーノも重いエルボーやブートで反撃。
普段なら決まり手になるような大技を返し合い、最後はデスバレードライバーからトップロープを越えコーナーポストの上に立ったベルベティーンが、パープル・レインメーカーと名付けられたダイビングエルボードロップでとどめを刺した。


NXT女子王座戦
エンバー・ムーン ◯-× シェイナ・ベイズラー
(ロールアップ)防衛成功

エンバーがドロップキック3連発とトペで先手を取るが、わずか2戦目でタイトル挑戦にこぎ着けたシェイナは技らしい技は使わず強烈な蹴りで圧倒。エンバーの左腕を容赦なく踏みつけ大ダメージを与える。
油断を見逃さずエルボーで反撃に出たエンバーはイクリプスを命中させるが、左腕の痛みからカバーに行けず、ドクターチェックも入るが試合を続行。
倒れたままのシェイナに近づいたところを腕ひしぎに捕らえられ、数分にわたって絞められ続けるが、上手く体勢を入れ替えると全体重を掛けて強引にフォールを奪い取った。

だが引き上げるところを背後から襲われチョークスリーパーで絞められてしまい、抗争は続く模様。


エクストリーム・ルール戦(※反則裁定なし)
アリスター・ブラック ◯-× アダム・コール
(後ろ回し蹴り)

コールは序盤から凶器を持ち出すが、ブラックは手にしたイスや竹刀を投げ捨て余裕を見せる。
ブラックはムーンサルトアタックを竹刀で叩き落とされるが、コールが設置した凶器のだいたいをコール自身に喰らわせていく。
イスの背にデスバレーボムで落とし、さらにイスごと膝蹴りでコールの頭を蹴り抜き勝負あったかと思われたが、そこにエラの二人が乱入してフォールを阻止。実況席への投棄を狙うが、今度はSAnitYが現れエラの二人を排除。
コールは実況席破壊を引き継ごうとするが、逆にブラックのメテオラで自分が沈められると、後ろ回し蹴りで仕留められた。


NXY王座戦
アンドラーデ・シエン・アルマス ◯-× ジョニー・ガルガノ
(スパイク式ハンマーロックDDT)防衛成功

アルマスは楽団に迎えられ、メキシコ国旗をあしらった衣装とラ・ソンブラ時代のマスクをまとい登場。
普通に登場したガルガノと30分を超える大激戦を繰り広げた。
いつ決着してもおかしくない大技と、初披露の危険技をカウンターで応酬し合う素晴らしい試合で、終盤にゼリーナ・ベガがハリケーン・ラナで鉄階段へ叩きつけてからのハンマーロックDDTという必殺コンボも炸裂するが、ガルガノは3カウント寸前で肩を上げる。
するとガルガノの実の嫁のキャンディス・レラエが駆けつけゼリーナを排除。息を吹き返したガルガノはガルガノ・エスケープに捉えるもロープに逃げられると万事休す。
エプロン上の攻防から、アルマスがコーナーポストにWニーアタックで叩きつけ、スパイク式の必殺技につなげベルトを守り抜いた。

試合後、ガルガノは大歓声を背に嫁とともに引き上げようとしたが、そこに負傷欠場していたトマソ・チャンパが現れ、松葉杖で背中を一撃してしまった。
コメント

今週のキン肉マン #258 白と黒のデルモンテ会談!!

2018年09月03日 | 今週のキン肉マン
・タイトルで遊ぶなwww
・ゼブラメダルどこから飛び出したのwww
・ゆでのこういうところたまらなく好き
・亡霊じゃないんだから二重人格が肩を貸せるのはおかしいだろww
・キッドの顔面破壊が普通に描かれている。コンプライアンス関係なかった
・人格ってシュワーっと分離するものなのかww
・あと当時はゼブラじゃなかったはずだけどな
・ゼブラメダルって「契約金いただきました」の領収書代わりじゃなかったんだ
・その黒部分はマリキータの縞模様なんだけどゼブラの意志で取り外せるものなの?
・マリキータエリコプテロとかいうナパームストレッチ
・ゼブラ絶対勝利フラグ
・白ゼブラが友と呼んでいたしやはり友情パワー発動か
・友情パワーを見せなかったカレクックの意地が実を結びマリキータは発動できない流れか
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ミステリ感想-『異セカイ系』名倉編

2018年09月02日 | ミステリ感想
~あらすじ~
ニート脱出を目指しバイトを始めたばかりの名倉編は、小説投稿サイトで10位にランクインし、自身の生み出したファンタジー世界を行き来できる能力を得る。
だが自分の書いた展開でキャラが死ぬことを悔やみ、さらに11位以下に落ちると世界が消滅することに気づく。

2018年メフィスト賞


~感想~
自分は1ミリも楽しめなかったし死ぬほど嫌いな小説だが、作品自体は良く出来ていることと、作者に実力があることは確か。あの深水黎一郎が「ウルチモ・トルッコ」でデビューしたことを思い出せば、二作目で名倉編が深水黎一郎になってしまっても少しも驚かない。超笑うけど。
もう一つ確かなことは本作はミステリではない。異世界系でありセカイ系である。だが間違いなくメフィスト賞だ。既視感バリバリの設定てんこもりで、最終的にはクソみたいな説教と遊助みたいな提言で締められるため虫酸が走るが、こんなメタな小説はメフィスト賞以外ではありえない。
自ら望んで異世界系もセカイ系も一冊も読んだことがないし、関西弁の文章に嫌悪感しか抱けない自分にはとにかく苦行だったが、そうした作品に抵抗がなければ問題なく読めることだろう。
ミステリファンよりもむしろラノベファン、それも異世界系というよりもセカイ系のファンで、しかもメタに理解のある層ならば、楽しんで読めるのかもしれない。


18.8.29
評価:★ 2
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9月の新刊情報

2018年09月01日 | ミステリ界隈
1日 新潮社文庫
アンソロジー 鍵のかかった部屋 ※島田荘司 他
周木律 雪山の檻

4日 文春文庫
大山誠一郎 赤い博物館
北村薫 中野のお父さん
辻村深月 朝が来る

5日 集英社
中山七里 TAS 特別師弟捜査員

7日 講談社ノベルス
早坂吝 メーラーデーモンの戦慄
有栖川有栖 インド倶楽部の謎

7日 実業之日本社
大山誠一郎 アリバイ崩し承ります

11日 光文社文庫
折原一 黄色館の秘密 ※新装版
山口雅也 キッド・ピストルズの冒瀆 ※新装版
アンソロジー 忍者大戦 赤ノ巻

12日 東京創元社
市川憂人 グラスバードは還らない

12日 創元推理文庫
青崎有吾 図書館の殺人

12日 祥伝社文庫
伊坂幸太郎 陽気なギャングは三つ数えろ
浦賀和宏 ハーフウェイ・ハウスの殺人

13日 講談社
輪渡颯介 別れの霊祠 溝猫長屋 祠之怪

13日 文藝春秋
倉知淳 ドッペルゲンガーの銃

14日 講談社文庫
佐藤究 QJKJQ
下村敦史 失踪者
周木律 教会堂の殺人
森博嗣 そして二人だけになった ※復刊

16日 星海社
佐藤友哉 転生! 太宰治 転生して、すみません

18日 講談社
似鳥鶏 叙述トリック短編集

20日 講談社タイガ
相沢沙呼 小説の神様 あなたを読む物語 下
恩田陸 七月に流れる花

20日 創元推理文庫
市川哲也 放課後の名探偵

21日 新潮社
周木律 死者の雨

22日 角川文庫
深木章子 ミネルヴァの報復

23日 角川書店
湊かなえ ブロードキャスト

28日 角川書店
三津田信三 犯罪乱歩幻想

28日 実業之日本社
宇佐美まこと 少女たちは夜歩く

28日 文藝春秋
柴田よしき 草原のコック・オー・ヴァン
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