WBC日米戦の問題の球審は、あれは自分の判断する権限だからひっくり返したといっている。権限論にすりかえて、問題を矮小化している。
野球のルールは詳しくないが、判断が難しい場合には他の審判の意見も求め判断するという条項があるらしい。もっともな条項だ。テレビのリプレイで見ると球審と三塁走者は一直線上に正対していて、走者の足が離れたかどうかの判定は、走者の足が球審から見て走者の背後となり、球審の死角となって見にくい。セーフの判定をした塁審はショートの前あたりに立っている。横から走者のかかとがベースから離れるかどうか一番見やすい位置にいる。しかも球審より走者に近い。彼の意見を重視すべきなのは当然だ。
相撲でも見る角度によって行司の死角になる場合もある。そのために物言いの制度もあり、ビデオもある。行司差し違えもある。塁審がセーフと両手を広げたのは明らかにはっきりと確認できたからだろう。相撲ではかかとの影が土俵に写るかどうかまで確認して紙一枚(文字どうり紙ひとえだ)の隙間が土俵の砂と足の裏にあるかどうかまで確認する。