東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

天皇訴追と引き換えに

2011-05-03 18:32:39 | 社会・経済

日本の首根っこを押さえていたアメリカは東京裁判で日本側はどういう弁護をするんだ、と聞いた。

日本側はそんなことは今から言えませんよ。裁判の手の内を始まる前に相手側に明かせますか、と言った。

なにを、そんなことが言える立場か。とアメリカに脅かされて手の内を明かしてしまった。アメリカもバカじゃない。そうか、アメリカの数々の侵略戦争、ハワイ強奪の前科を日本に責められるとまずい。かといってニュルンベルグ裁判(ナチ裁判)と同じことを公開法廷で世界中に中継するといった手前裁判をやめて即決処刑や非公開裁判には出来ない。

そこでアメリカはかねていつか使えると思って温めていた切り札をだした。そんな弁護をすると天皇を法廷に引きずり出すぞ、と脅した。裁判のシナリオはアメリカの言うとおりに事前に手の内を明かして承認をもとめろや、と言った。

あとの東京裁判は八百長だ。それからは日本側の弁護のやり方がガラリと変わった。もっぱら被告たちはやさしい人情の厚い人たちでしたよ。どうか御慈悲をというお涙頂戴調になった。被告たちの少年時代の逸話で皆一生懸命勉強して両親には尽くし、友達にやさいい、とてもいい人なんですよといった調子のまるでしまらない弁護に一変した。

当時の日本側弁護関係者はすべてこのあたりの秘密を墓場に持って行ってしまった。生前いおうとしても、東西冷戦が熾烈でアメリカの恩顧を失えばいつ、ソ連やチャイナに占領されるか分からない状態だった。言うに言えなかったわけだ。


アメリカは東京裁判に自信がなかった

2011-05-03 08:14:41 | 社会・経済

前号の街頭録音余話である。

インタビューに応じてくれた99歳のご老人、時も深更にてかなりお疲れの様子であった。にわかに疲労が出たようで、歩行もおぼつかない様子となった。傍らにいた女性はさきほどインタビューに答えてくれた22歳の女性で老人のひ孫だという。

ひ孫が付き添いで九州から東京に出てきたが、夜の六本木に行きたいと彼女が言うので今度は老人がお目付け役でついてきたという。

インタビューのお礼を兼ねて近くのクラブ・マヌエラへお二人をいざない粗酒を献じインタビューに応じてくれた労をねぎらった次第である。そこでさっきのインタビューでいささか疑問に感じたことを尋ねた。

「東条英機は東京裁判で裁かれたわけですよね。見世物裁判で。むしろ人目に晒してはづかしめるのがアメリカの目的でしょう。それが処刑後その遺体を遺族に返さずにさっきおっしゃったように灰にして人知れず太平洋にばらまいたというのはどういうことです」

「そうよの、アメリカは自殺を図った東条を必死に手当てしておびただしい米軍兵士の血液を輸血して東条を助けたからの」

「つまり裁判でさらしものにするから、アメリカとしてはそこで死なれては困ったわけでしょう。それなのになぜ、裁判後妙な行動をとったのでしょう」

「ふむ、そうよの」と老人は一呼吸おいた。「アメリカはナチス裁判で思惑が当たったので日本でも一芝居打と言うとしたのだ」

老人はブランデーでうがいをした。歯ぐきから酒を吸収しようとしているようであった。歯がないから、歯茎からの吸収が容易のようであった。

「ところが、裁判を進めていくうちに自分の弱点に気がついた。アメリカの論法でいくとアメリカが19世紀の末から20世紀にかけて行った侵略戦争を自ら弾劾することになりかねない。とくに非道なハワイ併合はわずか30年前の話だ。日本の証人や弁護側はそこを突こうとしていた。アメリカは強引なやりかたで裁判は満州事変以降の問題に限るとしてしまった。また、法廷に掲げられた世界地図からハワイを除外した。当時のニュース映画を見るとその不自然さがわかる。この裁判の主要な訴因は日本のハワイ真珠湾攻撃だよ。そのハワイの地図がないのだ、法廷に。ちなみにこの東京裁判の記録映画の監督は西部劇監督で有名なジョン・フォードだ。いかにも白人に有利なことばかりでお涙西部劇映画を作る監督らしい」

老人はガラガラとブランデーでうがいをするとゆっくりとのみこんだ。

「それでも裁判は全員有罪になったんでしょう」

「ま、99点くらいだな。そして処刑は皇太子誕生日に実行するという田舎芝居をうった」

「??」

「12月23日だ。現平成天皇誕生日だ」

「へえ」

「米軍は此れをアメリカ国民に対するクリスマスプレゼントと発表した。それと同時に日本国民に謂い知れない恐怖を与えるために選んだ日にちなのだがね。当時ご幼少だった皇太子に恐怖心を植え付けることが目的でもあった」

「それで東条の遺体を行方不明にしたと」

「そう、将来日本国民が東京裁判の非をならして、東条を担ぐ可能性があるとおそれたのだろうな。現にドイツではヒトラーを担ぐのは今ではごく少数のネオナチだけだが。日本では事情が違う。靖国神社に合祀されたことからもドイツとは事情がことなる」

「ところでご老人の東条英機に対する評価は」

「彼に対する評価は出来ないね。それとアメリカの態度の非道は同じ問題ではない。東条は幼稚な政治外交手腕、拙劣きわまる戦争指導、引き際(去り際)の無様なことなど、わたしは靖国神社合祀など論外と思っている」

ブランデーが入るにつれて老人の顔色は生気をおび、その気迫クラブ・マヌエラの全店を覆うがごとき、であった。22歳の美しいひ孫はそんな老人を尊敬のまなざしで見上げていた。


オサマ・ビン・ラディン殺害

2011-05-03 07:07:43 | 社会・経済

オサマがオバマを、じゃない、オバマがオサマを殺害した。テロリストを許してはいけないのは当然だ。そんな当然なことを言って貴重な電脳空間を汚そうと言うのではない。

何回も言っているが、当ブログは誰もやっていないことをやることに特徴がある。そこで昨夜おそく六本木で行った街頭録音からいくつかを紹介。

* 東条英機を思い出したね。アメリカが処刑後東条の遺体を焼却して骨まで粉々に砕き飛行機で太平洋に散布したというマンガのような幼稚なうわさが長いこと流れていた。結局戦後何十年たってから、これが本当だと分かった。

今回アメリカは手まわしよく遺体を『水葬』したというがどこまで本当か。本当かもしれないな。アメリカはもっとも幼稚なキリスト教原理主義国だからな。ゾンビをまじめに信じている。東条がゾンビのように生き返ると心の底から大統領をはじめ全アメリカ人が恐れ、信じていたのだ。(99歳、男性)

* 安物のスペースオペラみたいね。サルの帝国だか、昆虫のような宇宙人だとか、ダースベーダーだっけ、科学文化だけは地球を凌駕するようなものを持っている怪物が地球文明と戦争するテーマがあるじゃない。アメリカと言うのは昆虫のようなグロテスクなキリスト教原理主義国で武力だけは世界を凌駕しているという感じ。(22歳、女性)

* 俺は山本五十六海軍大将を思い出した。真珠湾攻撃を計画実行した日本の連合艦隊司令長官だが、アメリカは執拗に彼個人の暗殺を計画して、今回のラディンの時のように大々的な諜報活動を行った。そして彼の南太平洋視察のスケジュールをつかむと、現場上空で待ち伏せて暗殺した。近代戦なら軍事力を破壊するのが当然だろう、それを山本個人を憎んであれだけしつこく暗殺を狙う。今回のアメリカ人の心理パターンとまったく同じだ。(55歳、男性)

* 素朴と言うか原始的な、いかにもアメリカらしい。西部劇のレベルを出ていないな。(30歳、男性)

* 今回、テレビの画面で涙を流して喜んでいるアメリカの女性を見て、1945年8月15日も同じような光景だったんだろうと思ったわ。ある意味操作しやすい国民性ネ。(29歳、女性、メデイア・コーディネーター)