東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

都知事候補増田寛也論

2016-07-15 20:09:33 | 都知事選挙
このブログで東京都を中央政府直轄行政地にするというスキームがあり得ると書いた。もちろん内容によるのだがオリンピックという都と国との区分がつけがたいイベントを控えている時には期間限定で特区に指定することはありうる。要するに徳川幕府の直轄領のようにするわけだ。都知事というのは中央政府の代官だな。

自民党が増田候補をピックアップしたのは実質的あるいはなし崩し的に東京を行政特別区にしようという趣旨と捉えるのが良いだろう。もと総務次官の桜井氏にしようとしたときから、この方針は変わっていない。桜井氏は頭がいいから、その辺が見えていて固辞したと思われる。

石原なんとか、伸晃とかいったかな、本当に無能な人物で桜井氏を説得する能力がなかった。そこでおなじ線上に浮かんで来たのが増田氏という訳だ。当選すれば彼はその線で動くだろう。つまり増田氏は東京担当大臣の下ではたらく事務次官という役回りである。頭のいい彼は十分に承知している。

今日の夕刊フジに外国人参政権問題で各候補者の意見が出ている。増田氏の場合岩手県知事の時の発言で参政権を認める発言をしている。ところがフジによると、いろいろと東京の人に意見を聞いたら反対の人が多い。だからその意見を尊重すべきだというのだな。なんだか本末転倒の見本だ。岩手県の知事になったらまた賛成に回るということか。

これなら知事はいらない。すべての問題を住民投票できめることになるのではないか。彼は政治家ではない。政治家にもなれない。徳川幕府の代官である。それに東京の人の意見というのは彼がこれまでに秘密裏に談合を重ねた不明朗、不明瞭が指摘される都議会のボスや、東京都の区長や市長の陳情の結果というのかね。あぶない、あぶない。どちらの意見が多数という判断は住民投票しか有効ではありえないが、陳情の数々を漠然と印象的に捉えられたのではたまらない。

ちなみいうが、当ブログは外国人への参政権の付与は反対である。たまたま、意見変節の例としてフジに参政権の問題が出ていたから引用しただけである。フジは「それでは増田氏は自分の意見がないのか」とてきびしい。

政治家はまず自分の主張をハッキリと都民に発信して、それに賛成してくれと支持を求めるのがすじである。勿論かりに当選した後で、選挙前にはなかった新しい問題が出て来てそれへの対応で何らかの形で都民の意見を聞くという場合はあるだろう。しかし、選ばれる前に自分の意見を言わず、あるいは過去の発言に責任を持たず、皆の意見はこうらしいからといかようにも意見を変える人物を都知事に選んではいけない。