東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

『一つの中国』はいくつあるのか

2017-02-13 19:29:00 | トランプ

日米首脳会談の前日に習金ペイにトランプ大統領が電話して一つの中国を認めるといったという唐突なニュースが流れた。なんだ、なんだと思ったがどこかで英語では「our “one China policy”」になっているという報道も有ったが確認も出来ず正確な文言も分からなかったのでコメントしなかった。

今日の夕刊フジにやや具体的に文言が出ているのでそれについて若干、、

[to honor our “one China “policy] というのだそうだ。意図した、特定の解釈が出来るように作文したのか、ごく普通に出て来た文言だったのか分からないが、この文言はアヤを付けるとすれば少なくとも三種類以上の含意がある。

1:ourというのはtheというのと同じで「あの我々(双方が合意している)のワンチャイナ」というのがさらっと流し読みすれば一番平凡な解釈だろう。中国はこう受けとりたいだろう。

2:our というのは我々アメリカの解釈する(定義する)one China policyだよというもの。この場合アメリカの新政権トランプの解釈する一つの中国の定義だよということになろう。 

3:ourというのはアメリカのこれまでの解釈でも中国とは違うよ、という解釈もあり得るが、そうするとオバマも中国を手玉にとっていたことになり、ありそうもないが。

それとhonorという動詞をどう解釈するかだな。honorには手形等を

約束通り支払うという意味もないこともない。それ以外の動詞としての語釈にはしっくりするものがないようである。その場合にも額面については解釈の違いがあるよ、ということかもしれない。額面については割引率については委細交渉でということか。

ビジネスマンであったトランプの言葉とすれば、honorはわりと使う言葉かも知れない。ただし思い切り割り引くよということかな。もしここまで芸が細かいとトランプも見直さないといけない。

 トランプ・チームは意外に策士ぞろいなのかもね。ベニスの商人のシャイロックみたいなのがいるのかも知れない。全体の文言が分かるともう少し突っ込んだ解釈が出来るのだろうが。

 


フロリダの臨時記者会見

2017-02-13 09:37:09 | トランプ

短い発表だったが、おやと思う表現が二カ所あった。一つは安倍首相の発言で北鮮のミサイル発射は「断じて容認出来ない」と言ったところを英語では「intolerable」と訳していた所である。外交用語で使っているのかね。私は英語には詳しくないが非常に強く響いた。英語の翻訳文が世界にニュースとして流布される訳だから強い印象を伝播するのではないか。

口語的でもあるし「容認出来ない」(こういう場合の外交的決まり文句)と「我慢出来ない」では強烈さが違うような気がする。感情的な嫌悪感を直に表現している、またその効果を狙ったと思われる。

もう一つはトランプ大統領の発言で「stand behind Japan」という箇所であるが、普通はstand byとかstand with ではないか。どういう意図がこの選択にあったのか。日本を立てるという単純なことなのか。あるいはまず日本がアクションをとるように促したということなのか。一部の報道論評では外交安全保障問題ではまだトランプ大統領には自信がないので、あのような形の記者会見になったというのがあったが。