大胆シナリオ予想
東京オリンピック・マラソン会場の札幌への変更はこれから一山もふた山も紆余曲折がありそうだ。今回はこれからのことではなく、これまでのシナリオを検証してみたい。
不自然さ、その一
IOCバッハ会長はこれまで一言も発していない。バッハ会長の決定であるというのはIOCのコーツ氏と森氏が言うだけである。本人は完黙している。不自然極まる。当然バッハ会長が公に記者会見で公表すべきことだ、常識ではね。
不自然さ、その二
IOCの意思決定プロセスは理事会の決議じゃないの。普通の組織体ならそうだよね。今回理事会が開かれこの問題が討議されて決定されたなら議事録があるはずである。マスコミは取材しているのかね。日本からの理事は今だれなのかな。竹田氏はたしかワイロ疑惑で辞任して後任がいるはずだが、彼にマスコミは取材しているの。いないだろう。したなら記事にしなければいけない。マスコミ・コードの++Aだよ。
そこでだ、予測じゃない経緯推測
1・カタールのマラソンで選手の棄権が40パーセントになった。驚いたバッハ会長が森氏に「大丈夫かね」と連絡した。これなら大いにありうる。そのまえに国際陸連とバッハ会長のあいだに話があったと考えるのが普通だが、今回国際陸連はだんまりの一手だ。マスコミ君、国際陸連に取材したのかね。
2・森氏はこれを聞いてチャンス到来と思った。札幌に冬季オリンピックを誘致する計画がある。また子分の橋本聖子オリンピック担当大臣は北海道出身だ。森氏はバッハ氏の懸念を払しょくするのが役目なのに、渡りに船とそれじゃ札幌に移しましょうと提案した。
森氏は日本側の代表として、これまで日本や東京都がこれまで行ってきた暑さ対策を説明してバッハ会長に説得するのが役目だ。
そして言った。「小池知事は反対するだろうから、IOCの決定だということにしてもらいたい」。バッハ会長はしぶしぶ同意したというのがもっとも実情らしい。しかしバッハ氏は自分から決定を発表せずにコーツ氏に責任をゆだねた。そして「IOCの決定」をぎりぎりまで小池知事に伝えなかった。
再度強調するが組織委員長として森氏のすべきことは、まず当初計画を支持して日本国内の関係組織と協議して善後策をまとめることであり、東京開催対策をIOに説明して懸念を払しょくして説得することなのに二つ返事でOKを出す。(この動きがバッハ会長始動だとして、これは前述のとおり疑わしい)会長はカタール大会の結果を見て東京は大丈夫かと再確認したダケというところが実態だと考えられる。
再度強調するが、これらの正規の手順を踏まずにバッハ会長が独断決定することはありえない。
なお、森氏側だけを悪役するのもなんだから小池氏の思惑も考えてみたい。彼女は来年の都知事選挙で再選されたい。その際に自民党の支持がほしい。もし自民党から有力な対立候補を立てられると、これまで都知事としてあまりかんばしい成果をあげていない彼女は苦しくなる。言うことだけ言って降りたとも考えられる。喧嘩両方得なんて笑えないね。