東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

プーチン来日で日ロ協議はまとまるか

2016-10-19 07:08:51 | プーチン来日

 12月にプーチンが来日する。今度はひょっとするとまとまるかも知れないという雰囲気を政府は演出しているようだ。ロシアが相手ではいかなる確定的な予測も出来ない。

ロシア側のアルゴリズム:1956年の歯舞色丹を返すという宣言も要するに日本をアメリカから引き離したいための餌であった。当時の熾烈きわまる冷戦下において少しでも日米の間にくさびを打ち込みたかった。結局それが成功せず、ソ連は約束を反古にした。

翻って現下の状況を見ると米ロは第二次ミニ冷戦の様相を呈している。したがって基本的な構図としては日本にアメリカから距離をとらせることが彼らの狙いだろう。経済協力なんていっているが、一方的かつ日本の実質的な贈与に近いかたちの大々的な経済協力でなければロシアは歩み寄らないと考えるのが常識である。

そしてまず経済援助を、といつもの二段階方式で引き延ばし返還は反古にする。

日本側の手品:ところで日米関係に距離を置くことは可能だろうか。日米協力は防衛上の切実なニーズがある。日本が国防上の脅威をシナ、北朝鮮それに南朝鮮から排除出来れば現在の日米軍事同盟は変化しうる。つまりロシアの希望する様に。ロシアはこれに対応出来るか。

これは一見隘路にはまったようである。しかし隘路からアクロバティックにぬけだすのが大政治家である。その方策はあるのか。山口で日本側からその手の仕掛けが用意されているのか。

以上はまるで非現実的な妄想であるが、大政治家なら妄想を現実化する可能性もある。日米関係をロシアが望む様に変化させたいなら、ロシアも譲歩しなければならない。いつまでも「経済協力の強化」なんて口車に乗せられていると尻の毛までむしり取られてしまう。

つまり大陸の蛮族国家との軍事的有事の際にはロシアは日本側に立つという譲歩確約が必要である。これなら日米関係にも一定の変化をもたらすだろう。一種の日ロ軍事同盟に踏みきらせることが出来るか。可能性は全くない様に思われる。そこに段取りをつけるのが外交であり大政治家の創造性である。経済協力や文化交流を拡大しても全く意味がない。過去の無数の例が証明しているではないか。

 


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