日露戦争の時に、連合艦隊司令長官に東郷平八郎を任命したことを明治天皇に上奏した時に、天皇は「東郷で大丈夫か」と心配して山県に聞いたという。
「東郷は運のいい男でございますので」と山県が答えた。東郷は確か既に退役していたのを引っ張りだしたのである。東郷は自分自身が目覚ましい軍功をあげた将軍ではなかったが、有能な部下を見抜く目をもっていたらしい。また部下に最大限実力を発揮させる才能もあった。
さて、2020の話ね。のっけから新国立競技場の白紙やり直し、エンブレムの白紙やり直しで森組織委員長はケチが山の様についている。この二つの問題は単に運のよしあしではない。彼の無能の証でもある。
経費の問題でも彼にはマネジメントの能力は全くない。ボート会場他の問題でもゼネコンや石原都政のもとで腐敗化した都庁官僚の押し込み計画を無批判に積み上げているだけだ。
挙げ句の果ては、IOCを利用して(口実にして)巻き返しを図る。例のIOC関係者がボート会場を韓国に移しても良いという発言も、森組織委員長の情報工作であると報道されている。すぐにばれるような工作をするところが森チームの程度の低さである。
森のケチのつけ始めはおそらく首相を三ヶ月で辞めさせられたことだろう。確か大災害か大事故の直後にゴルフをしていたというので身内からの批判で簡単に首相の座を追われた。事の善し悪しはしばらくおく。あまりにも子供染みた批判だったからね。要はそれを口実にした身内の自民党内の森おろしにも無策であったことである。
森は組織委員長にどういうプロセスでなったのだろう。だれが任命したのか。どういう談合だったのか、不思議の一語だ。安倍首相、はやく辞めさせないと今後同様の次から次へと問題が出てくるだろう。
補足:バッハ会長が小池都知事の本家取りをして、野球やソフトボールを震災地でやるという提案も、おそらく森との談合で生まれたのだろう。今回ようやく復活させてもらった野球、ソフトボールをいうことを聞かなければまた廃止するぞという脅しだ。こいつはきっときくにちがいないと思ったんだ。国賊的発想だよ。
そして勿論そのかわりにボートは予定通り江東区でやれ、ということが言外に含まれている。小池さん、これからがあなたの腕の見せ所である。