さて最後にプロファイルCすなわち「戦前回帰を志向する右翼」犯人説を検討しよう。といっても前回までの話で結論は出ている。右翼とくにそれが戦前回帰を志向するような団体なら絶対に反ユダヤ的な行動をするはずがない。
しかし犯人の思考連鎖から犯人の思惑として考えることは出来る。つまり右翼の行動だと思わせようとする意図である。彼らは日本の歴史など知らない。ようするに自分の都合のいいように歴史をでっち上げて良心の痛みを感じない連中である。
そしてそれが無知なキャロライン・ケネディ レベルのやワシントンポスト、ニューヨークタイムズ クラスの幼稚な知能にはおさまりがいい効果を生み出してくれればいいのである。
アンネ本の毀損 > ナチスと軍事同盟を結んでいた日本 > ナチスとおなじく反ユダヤ主義 > ホロコースト > ああ恐ろしい という思考連鎖が幼稚な頭脳にストトンとはまり込めばいいのである。
情報操作、マスコミ操作によってある程度そのような影響が海外でも出ているようである。まして日本の朝日とかNHKは情報操作を働きかけなくても、そういう暗示にかけてほしくてしょうがない連中である。
戦前においては親ユダヤと親イスラムは矛盾なく並立した。両方とも西欧に抑圧されていた民族、地域である。両者は混住していた。まったく民族問題がなかったということはあり得ないが、西欧に対する反発ということでは同じであった。
問題が難しくなったのはイスラエルが建国されてからであり、数度の戦役があった。日本の両者への位置取りが特に難しくなったのはイラン革命後だろう。アメリカのめかけとなった日本はアメリカの中東政策に否応なしに適応しなければならなかった。
最近では純然たる経済問題であるイランの油田開発をアメリカの圧力で放棄させられている。
日本は独自の中東外交を何度となくアメリカにひっくり返されてきた。
ま、歴史を概観するとそういうことだ。したがって日本の中に反ユダヤ思想や組織があるとは考えられない。もっとも、最近の若い連中には突拍子もないのがいるし、過去の歴史に無知なものが多いから億に一つの可能性はあるかもしれない。
そこで最初にも言ったように公安調査庁の知見が必要となる。日本に反ユダヤ活動を積極的に行う可能性のある団体がありますかね。
もう一つ、前回冒頭に述べたイスラエル公安大臣の訪問だが、あまりにもタイミングがよすぎる。何の目的で来日したのかもマスコミは馬鹿だから取材報道するのを忘れている。
モサドはこれまでアメリカの諜報機関とほとんど一心同体といってよかった。ひょっとすると、アンネ本毀損騒動の背景についてアメリカの情報を伝達に来たのではないか、なんてね。
非常にありうる話である。
今回はプロファイルBの反ユダヤ主義者犯人説を検討する。
その前に一つ、日本のニュースに日本とイスラエルとの政治的な接触が報じられることはほとんどない。ところが先日イスラエルの公安担当大臣が日本の国家公安委員長と会談したと報じられた。
アメリカは最近オバマになってからイスラエルに距離を置こうとしている。また、イスラエルの高官がケリーだったかについて、衛藤首相補佐官のような発言をしている。もっと侮蔑的で個人的な資質を批判した発言だったようであった。
日本は戦前から親イスラムであると同時に、それ以上に親ユダヤであった。親イスラムは主として右翼の論客であり、東京裁判でA級戦犯として訴追された大川周明の著書「勃興アジアの諸問題」の大部分は西欧からのイスラム圏の解放に費やされている。
親ユダヤは日本の言論界や軍部を中心としてあった。東条英機は関東軍参謀長時代にヒトラーの要求を撥ねつけたことでしられている。すなわちナチスがチャイナの日本軍占領地域のユダヤ人の引き渡しを要求してきたときに拒否している。杉原ちうねばかりが有名だが、軍部や日本政府のユダヤ人保護は東京裁判の被告であったせいか、報じられていない。
東条英機は陸軍大臣か首相時代にも類似の要求をしてきたヒトラーに対して、たしか関係閣僚会議(五相会議)で応じないことを決議している。この閣議決定は資料として容易に見ることができるはずである。
また、関東軍は満州にユダヤ人国家を建設することをユダヤ人独立運動家と計画していた。戦争に負けなければユダヤ人国家はパレスチナではなく、満州に建国されていた。この計画にかかわった関東軍高級将校はイスラエルの歴史でその名前を顕彰されている。
関東軍の諜報部門がかかわった計画とされている。イスラエルのモサドの初期のメンバーは日本軍の諜報部隊に教育されていた可能性がある。
途中だが馬鹿に長くなったから以下次号にしよう。