中東を火薬庫にしたのは、100年前のヨーロッパであり、半世紀前のアメリカである。一つには大量の石油が埋蔵されていたことであり、半世紀前にアメリカがイスラエルの国家建設を国連に承認させたことに始まる。
宗教対立以前に文化の対立がある。ヒズボラの指導者ナスララは、この点を強く主張して支持を得ている。決して力では抑えることができない、文化の対立があることを、アメリカは認識するべきである。
アメリカを追従する日本は、石油開発に大きな投資を行っているイランを経済封鎖できる のだろうか?ロシアや中国の大国が、二の足を踏んでいるのはアメリカへの消耗作戦のよう見も思える。30%も石油を依存している日本が、イランを経済制裁できるわけがない。イランは、アメリカが仇敵のイラクとアフガニスタンの力を殺いでくれた今が、自己主張できる千載一遇の時と認識している。
経済発展の著しいインドの核開発には協力的でありながら、イランには悪の枢軸と非難し、テロ国家と断じて交渉の窓口すら設けようとしていない。その違いはインドは民主国家だからだそうであるが、イランも選挙で選ばれた大統領であり、パレスチナ暫定政府も同様である。
アメリカは、大量破壊兵器のないことが判明してからは、イラクに民主国家を設立するのだと主張しているが、現状を見ると茶番でしかない。イランやパレスチナそれにレバノンすら交渉の窓口を閉ざして、自らジレンマに落ちいっている。
ライスはどんなレシピを用意しているのか中東は覚めた目で見ている。アメリカは中東での自己矛盾に、何処の辺りに落とし所を設けるつもりだろうか?