ロシア領の内戦、チェチェン戦争を追ってきたロシア人のジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤが、10月7日モスクワの自宅のエレベータの前で銃殺されました。その日はプーチンロシア大統領の誕生日です。彼にとっては最もうれしいプレゼントになりました。これは明らかなテロである。
今年6月17日にチェチェン独立派のサドェラーエフ大統領がロシア部隊によって殺害された。昨年は3月にマスハドフが暗殺されて、チェチェンの独立はかなり厳しいものがある。ご他聞にもれず、ここにも石油や天然ガスが豊富に産出され、黒海に輸送するための利権をロシアがどうしても手放したくないための弾圧である。チェチェンの独立運動は、こうした資源とは関係なく、旧ソ連の併合された時代からの長い歴史を持つ、民族独立運動である。中央の国家が少数民族の権利や自由や自治権を蹂躙する巨大国家への抵抗である。チェチェン人の戦いがテロであって、国家権力の殺害がテロでない論理はない。
アンナ・ポリトコフスカヤはチェチェンの独立を間接的に支援してはいましたが、チェチェンで現実に起きていることを報 道していたに過ぎません。彼女がベスランの小学校が占拠されたときに仲介のために空路向かいました。その機内で毒を盛られ、九死に一生を得た話はチェチェンの全てを物語っています。報道規制は徹底されていますが、ジャーナリストとしての戦いだったのです。
彼女を私が知ったのは、下記の「チェチェン やめられない戦争」です。チェチェンの歴史と生々しい戦争を内側から報告しています。本書は書かれてから早い記事は数年、発行されたから2年経っていますが、現状は更にひどいものになっています。アメリカの9・11同時多発テロの以降、更に厳しいものになっています。
それにしても、チェチェンで起きていることに関して日本の報道は無関心であるのだろうか。チェチェンニュースなど参照ください。彼女の死は悲しい、寂しいニュースです。
http://chechennews.org/chn/index.htm
チェチェン やめられない戦争
価格:¥ 2,520(税込)
発売日:2004-08-25