そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

そりゃ農家保護だろ

2006-10-01 | ゲノム編集

日本の農業は保護されているという論議が時たまされます。農家が何かをやろうとすると、いろんな事業でそれらの多くをやることができる。それらはこの国の農業政策の事実を伝えてはいます。農家には、時としてBSE対策のようにジャブジャブとお金が入ってくる。・・・時もあります。

これは一面で日本農業の事実でもあります。1961年に作られた農業基本法以降、都会並みの「賃金」をうたい文句に、数多くの事業がこの国の田舎・農村に入ってきました。

結局は農業者には何の役にもならなかったばかりか、負担ばかりが農家と地方自治体に残るダムや灌漑施設や目的不明の構造物が、どんな田舎に行ってもにょきにょき建つようになりました。そ良い例が有明干拓です。農家が減って放棄された農地が20%を越えながらも、農地を環境破壊し漁民の糧を奪いながらも造成される?!一旦決まったことは後戻りできない、奇妙な日本農業政策??の本質はここにあります。

この農業基本法は、基盤整備と補助金によって構成されています。基盤整備は、土木事業そのものです。補助金は、農協を通じて農家に払われるお金です。この当時は日本人口の30%を越した農業人口は「票田」とも呼ばれていました。

結局、国家予算の7%前後しかない農業予算は、土建屋と農家に支払われたのです。決して農業に支払われたものではありません。あるいは、食料に支払われてはいないのです。フランスでは国家予算の30%を越える予算を計上し、その多くが農業そのものの評価に支払われています。

田舎や過疎地の主産業の農業は、誰もが欠かすことのできない食料を作り出すばかりではありません。水源地を守り空気を浄化するなどの多機能をお金に換算すると、8兆2千億円になると試算されています。

日本の農家が保護されているなら、あるいは健全な農業政策がなされているなら、これほどの農家離れが起きるはずがありません。これほど、食料自給率が下がるはずがありません。日本の農業は保護されてはいないのです。

食料を自給しない国家は独立国家ではありません。今世紀中に食糧危機は必ず起きます。どのような形態なるかわかりませんが、必ず起きます。食料は戦略物資になるということを忘れてはならないと思います。

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