そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

そりゃ人間の勝手だろ

2006-10-04 | 格差社会

Photo_28 札幌の町並みを乱すとして、街路樹の伐採運動があった。たちまち数万人の反対署名が集まった。かなり昔の話である。ところが、知床でミズナラの大木の伐採があっても、誰も気が付かない。やっと気が付いて、反対運動をしても過疎地で署名などポチポチしてもらえる程度である。

政治を含む人間社会では、こうしたときには札幌の人工的な植栽樹木の方が、知床の自然林の伐採よりも重要であることになる。これは人間の一方的な判断であって、環境や自然を正確に評価はしていない、妙チクリンな話である。

今日一票の重さについて、ちゃんとやりなさいという最高裁判決が出た。私の住む北海道の東は、以前は衆議院北海道5Kuusatu_1 区として定員が5名いた。地域は十勝、釧路、根室それに網走支庁である。面積はほぼ関東平野に匹敵する。選挙制度が変わって、現在はこの道東の過疎地の定員は3名で比例区を足してもせいぜいプラス1名である。ところが、関東平野はなんとちょうど100名である。これはを一票の格差から判断するのは大きな間違いである。

環境あるいは面積を考慮すると、一票の格差はあって当然である。広い面積を必要とする農業者の住まいは田舎である。農業者や僻地の実情が中央に届きにくくなっている。農業や食料や環境問題は、多数決を原則とする民主主義の制度にそぐわない。

民主主義は人間の勝手な価値基準である。民主主義を絶対視して市場経済を原則とするなら、人間の少ない地域はさらに置いてきぼりになるばかりである。

拙書参照ください。

そりゃないよ獣医さん―酪農の現場から食と農を問うそりゃないよ獣医さん―酪農の現場から食と農を問う
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2005-10

コメント (1)
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春誓い羅臼港