アメリカの侵略以降、イラクで死亡した人が最大で65万5千人になるという報告が出された。(イギリスGuardian紙)これは、イラク人口の40分の一になる。しかも、最近になって一日の死亡者が数十人になることが珍しくもない。宗派間の対立によるものが最も多い。内戦状態である。イラクをバラバラにしてしまったのは、アメリカである。
北部地方のクルド人たちは、フセインによる最も激しい弾圧を受けた民族である。フセイン政権の崩壊を一番享受しているところでもある。クルド民族は、トルコやイランに散る同 胞を集めて、独自に軍事力を整備しいまや独立国の感がある。
こうした現実を踏まえると、イラクを単一の国家として統治することが不可能になりつつある。イラクという国家の存続は、分轄によるしかないのではないか。シーア派とスンニー派それにクルド地方の3分轄である。アメリカが夢見た民主主義国家の 建設は、画餅でしかない。
現実的な分轄とアメリカがお題目にした建前との折衷を見つけることができるのだろうか?ここまでこぎ着けたアメリカの傀儡政権がどこまで容認できるのか?石油利権がこれに絡んで更に複雑になる。これらの全ての責任はアメリカにある。
その間にも、イラクの人々の命は毎日喪われている。