北朝鮮のわがままには困ったものである。自国の力を省みず、飢えた国民を放置したまま精神論だけで突っ走る姿は、どこかで見た風景である。先軍政治と呼ばれる現体制は、もはや核と精神論しか持ち合わせない哀れな貧国の姿を浮き彫りにしている。
国連の安全保障理事会で制裁案が決議されたが、わが国の改憲論者にとってはまたと ない機会を持ったように見受けられる。
臨検をどうするか、攻めてこられたら守ることができない、どうするというようなナショ ナリズムが危機感を煽って急激に勢いをつけてきている。中川政調会長に至っては、核武装を言い出す始末である。軍事力を強化すれば、隣国がこのように過剰にナショナリズムを勢いづかせることになる。
それは逆に見ても同じである。日本が核武装すると、韓国も含めた朝鮮半島はどのような対応をすることになるのか、全く考慮することにない発言である。かつて日本から侵略された中国を含めた東南アジアがどのような反応をするか、客観的な判断すらない核武装論である。これらの国にも、中川と同種の連中がてぐすね引いて待ったいる。
北朝鮮のミサイル発射や核実験(双方とも根拠ある失敗説も消えてはいない)は、わが国の改憲論者に勢いを持たせる結果になっている。隣国の暴挙が、日本の安部政権の追い風になるという妙な構図である。安部政権にとっては、真にありがたい存在である。
これらの発言は結局”今の憲法では対応できない”とする下心が見え見えである。彼らの発言は憲法改悪のために地ならしなのである。
それにしても北朝鮮は困った国である。