アメリカのライス国務長官が、北朝鮮を除く6者会議のメンバーの5カ国を駆け抜けた。ほ と んど成果が見られない。日本のお坊ちゃまたちは、うちが一番早く来てくれたなどとお喜びのようではある。
国連決議の履行に当たっての最も重要な立場にある中国からは、何の保障も得られていない。レバノンを巡って中東を走り抜けて全く成果がなかった、ライスであるが今回も同じである。
これで、中国が多分北朝鮮の2回目の実験を止めたこと以外の変化は何もない。結局は、核保有国北朝鮮の厳然たる事実が残るだけである。北朝鮮は初期の目的を達したといえる。
5者(米国、中国、韓国、ロシア、北朝鮮)が最も恐れるのは、日本が核保有国になることである。日本以外が核を保有したところで、それほどの脅威にはなるはずがない。
そんなことに考えが及ばない、坊ちゃま政治家たちは核保有の論議を促す始末である。核拡散条約は、主要5カ国の我々以外は以外には核を保有してはならないという、なんとも身勝手な条約なのである。
日本は、核保有がどの国であっても反対する立場を鮮明にしなければならないはずであ る。核兵器を大きな武器としか考えていない、裕福な幼少期を過ごしたお坊ちゃまたちに、戦後の日本が歩んだ道など知る由もないのである。
そして北朝鮮が核保有国のとしての事実が残り、日本の右寄りの連中にとっては、何かと都合の良い構図がここに生まれたことになる。