国連安保理の北朝鮮への制裁がなされた。その対北朝鮮禁輸品の核、ミサイルや戦車等の軍事物資に加えてなぜか「ぜいたく品」が、アメリカの強い要請で加えられている。なんとも奇妙である。
今年6月、韓国の南北会談の席上に、フランス・ボルドー産「シャトーラトウール」の20年物があったことが確認されている。一本70万円ほどするそうである。
金正日の個人倉庫には、ワインが一万本ほど貯蔵されていると、脱北した担当ソムリエの証言がある。金正日のワイン好きは有名であるが、その他キャビアや年代物のコニャックなどの高 価な「ぜいたく品」が、彼の周辺には溢れているそうである。
アメリカの制裁、金融停止は金正日の私的な購入資金を、閉ざす意味が強いとされる。「ぜいたく品」の禁輸は金正日個人を狙ったものであるが、大使館や中国などを経由すれば可能ではあり、実効の程は疑問視する向きもなくはない。
「ぜいたく品」は、高級幹部を引き止める手段にも用いられていた。物のない国にはうってつけの「エサ」であろう。物で人を釣る、なんとお粗末な独裁者であるか。
独裁者は、古今東西を問わず似かよってくる。美女をはべらせ、高級品を並べて宮殿のような所に住み、世襲制を引き周辺を親族で固める。封建時代の為政者たちはもとより、スターリンやチャウセスクやサダム、フセインそれに麻原彰晃も同じである。結末も似かよっている。
21世紀の時代に、こんな何の実績もない我が侭なオボッチャマを、「将軍様」と敬わなければならない、北朝鮮の人々は哀れでもある。喜び組みの美女を躍らせコニャックを飲み、周辺に親族をはべらす飛行機嫌いの将軍サマは、いずれ凋落しなければ国民が救われない。