BSE(狂牛病;牛海綿状脳症)に関する動きが大きく変わるものと思われる。現在日本では、食肉になるものもならないものも全ての牛は、BSEを受けている。このことが、非科学的であり、意味がないとする御用学者たちがたくさんいる。20か月以下の検査は非科学的だというのである。
それらの論客に、唐木英明東大名誉教授と小澤義博国際獣疫事務局名誉顧問がいる。この二人の主張は大きなところで一致している。20か月以下の牛の検査はOIE(国際獣疫事務局)が、検査不要としたのでやるべきでないといのである。
現在まで国内で、33頭(7月5日現在)BSEが確認されているが、21カ月令と23か月令の弱令の育成牛が2 頭確認されている。この2頭の、プリオン量は極めて低く、それぞれ1/600と1/1000でしかなかった。この2頭のプリオンでマウスに感染性がなかったというのが、すべての牛を検査しなくてもよいとする根拠である。リスクが低いといのである。
また、20万頭ほどのBSE発生の英国で、人に感染(伝達)した場合のvCJD(異型クロイツフェルト、ヤコブ病)の確認されて、今年で10年になる。当初、10年間で最大10万人ほどの発生の可能性を警告する者もいた。が、現実には160人の発生であった。このことが、BSE検査不要論者に活気を与えている。
しかし、20か月ほどで感染が確認されたことは重大な事実である。さらに、検査技術の開発で相当微量なプリオンでも感染が確認できる可能性もある。マウスに、感染(伝達)されなかったことが、人にも安全である保障はなにもない。単なる憶測にすぎない。
BSEは感染経路も、体内での伝達方法も何も解明されていない。結果的に、脳閂部に集約されるために、ここを死後検査して確認するのである。弱令牛の検査を放棄すると、この当たりのことが全く解明できないことになる。
ここでまた、有識者会議の登場である。集団的自衛権の検討のために、身内で固めた有識者会議と同じである。要するにアメリカのご希望に沿った結論を期待したメンバーで固めることになるのであろう。輸入解禁への露払いのためのアリバイ工作にすぎない会議の結論は見えている。
仮に20か月以下をフリーで輸入することになっても、アメリカの牛には生産履歴がない。アメリカの牛は住所不定年齢不詳なのである。身体つきや歯型で判断する、アメリカの検査のいい加減さまで我が国は輸入することになる。