香川県丸亀市の学校給食に、豪州産牛肉を国産と偽って納入して、不正競争防止法違反(原産地偽装表示)の疑いで精肉卸売業者などが家宅捜索を受けた。牛肉トレーサビリティー法に違反する疑いがあるとして、農林水産省中国四国農政局が今月是正勧告していた。 と報道されている。
オーストラリア産の牛肉を、国産として販売していたのである。が、それならば、その香川県で販売されている「讃岐うどん」の原料の、80%ほどは輸入の小麦を使っている。この場合の、讃岐うどんは偽装とは言われないのだろうか?
日本は鶏卵の自給率は、85%ほどである。その鶏の餌のほぼ100%は、輸入飼料である。これで、鶏卵は自給しているとするには、偽装でないのだろうか?ブロイラーも豚肉も牛肉も牛乳も同じである。
府県で売られている「北海道牛乳」には、ほぼ全部に太陽の下で青草を食べている乳牛の、のんびりした風景が描かれている。こうした、放牧牛から搾られる北海道の牛乳は10%もあるだろうか。ほとんどが、輸入穀物を与えて牛舎の 中で搾乳されている。これは、偽装でないのだろうか?
もうすでに、輸入飼料に依存する北海道牛乳と府県の牛乳には、差がほとんどない。先日テレビで、関東の高原で搾った牛乳を、ノーテンキなタレントが飲んでいた。あぁやっぱりうまいなどと言っていたが、私はそこの牛たちが、中国産の草とアメリカ産の穀物で飼育管理されているのを見逃さなかった。これで、高原牛乳とか言っていたが、おかしな話である。これは偽装でないのだろうか?
そもそもが、牛乳も卵も健康食品である。ところがこれを生産する、鶏も乳牛も効率を最大限追求され、発病寸前で生産している。いわば半病状態で生産された、健康食は偽装でないのだろうか?
今回問題になった、オーストラリアからは「WAGYU」と銘うった、100%日本の和牛のDNAをもった牛肉がもうすぐ輸入される。日本の和牛を輸入して同じように育てたのであるが、こちらの方が、偽装のレベルはうんと低い。
高々数百キロの牛肉を偽ったぐらいで騒ぐなら、もっと本質的なところで「偽装」論議をしてもらいたいものである。