そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

そりゃ偽装でないのかい?

2007-07-26 | 市場経済

香川県丸亀市の学校給食に、豪州産牛肉を国産と偽って納入して、不正競争防止法違反(原産地偽装表示)の疑いで精肉卸売業者などが家宅捜索を受けた。牛肉トレーサビリティー法に違反する疑いがあるとして、農林水産省中国四国農政局が今月是正勧告していた。 と報道されている。

オーストラリア産の牛肉を、国産として販売していたのである。が、それならば、その香川県で販売されている「讃岐う001_10どん」の原料の、80%ほどは輸入の小麦を使っている。この場合の、讃岐うどんは偽装とは言われないのだろうか?

日本は鶏卵の自給率は、85%ほどである。その鶏の餌のほぼ100%は、輸入飼料である。これで、鶏卵は自給しているとするには、偽装でないのだろうか?ブロイラーも豚肉も牛肉も牛乳も同じである。

府県で売られている「北海道牛乳」には、ほぼ全部に太陽の下で青草を食べている乳牛の、のんびりした風景が描かれている。こうした、放牧牛から搾られる北海道の牛乳は10%もあるだろうか。ほとんどが、輸入穀物を与えて牛舎の 中で搾乳されている。これは、偽装でないのだろうか?

もうすでに、輸入飼料に依存する北海道牛乳と府県の牛乳には、差がほとんどない。先日テレビで、関東の高原で搾った牛乳を、ノーテンキなタレントが飲んでいた。あぁやっぱりうまいなどと言っていたが、私はそこの牛たちが、中国産の草とSisido_1アメリカ産の穀物で飼育管理されているのを見逃さなかった。これで、高原牛乳とか言っていたが、おかしな話である。これは偽装でないのだろうか?

そもそもが、牛乳も卵も健康食品である。ところがこれを生産する、鶏も乳牛も効率を最大限追求され、発病寸前で生産している。いわば半病状態で生産された、健康食は偽装でないのだろうか?

今回問題になった、オーストラリアからは「WAGYU」と銘うった、100%日本の和牛のDNAをもった牛肉がもうすぐ輸入される。日本の和牛を輸入して同じように育てたのであるが、こちらの方が、偽装のレベルはうんと低い。

高々数百キロの牛肉を偽ったぐらいで騒ぐなら、もっと本質的なところで「偽装」論議をしてもらいたいものである。

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