参議院選挙を迎えて、テレビ討論が盛んであるが、どう見ても安倍晋三の発言は、無教養であるだけでなく、お坊ちゃんの我が侭そのものを露呈した、軽薄な人物像を浮かび上がらせているだけである。農水大臣が自殺した時に「慙愧に堪えない」などと、言葉を知らない発言をした記憶は古くはない。
語彙が極端に少なく、自分の中で消化しきれない内容の時には「・・・において、・・・・ですね」と必ず、いったん区切りをつけなければ論理発展も展開もできない。饒舌になろうと努力した結果なのかもしれない。
平気で相手の発言を抑えて持論を述べる。相手の論拠に立ち入る余裕がなく、思考過程の容量が極端に少ないことを示している。
昨日の発言などは、「経済成長があれば年金問題が解決する」などと、暴論を述べている。これには、人口がきれいなピラミッド型であること、全国民が掛け金の払うこと、景気が良くなったら国民の給与が上がること、が前提でなければならない。現実にはこの3点はどれも逆の現状にあり、彼の論理は全くの空論でしかない。
ほかの問題にもついて、景気さえ良くなれば税収が増えて・・・と述べているが、それは優遇税制下にある企業側の利潤が増えることを意味するが、一向に給与が上がらない国民には好景気の実感がない。が、ぬくぬくと親の庇護のもとにお育ちになった、安部ボンに庶民感覚を求めるのはお門違いであろう。彼は本気で、企業利益が労働者、一般国民に即日的、比例的に還元されると信じているのだろうか。消費が伸びて豊かになるとも付け加えていた。
自民党のマニフェストのトップは、憲法改正であるが選挙には不利なことと読んだのか、一向に内容に触れようとしない。勝手な男である。安部ボンの本音は、年金でもなく景気でもなく政治献金でもない。憲法改正と教育 の場を国家主導のものにしたいのが本音である。
もうひとつ内容に触れようとしないのが、消費税の問題である。前任の、小泉純一郎が次へと丸投げした消費税を安部ボンは上げなくてはならない立場にある。景気が良くなれば、消費税は上げないと言っているが景気が上向いても税収の伸びが無いことはわかりきっているので、消費税を上げるつもりなのである。
ある意味極めて単純な復古的国粋主義者の、この男の評価はそんなに難しくはない。