政府・自民党は「暫定税率」の堅持になりふり構わない理屈を並べている。古賀選挙対策委員長などは、道路族と言われて誇りに思う、などと本音を漏らしている。彼らは、道路利権を失いたくないだけなのである。
福田首相などは、地球環境が主題になるサミットを、日本で開く今年に石油など安くできない。日本のガソリンは決して高くないと主張し、暫定税率をなくすと石油がふんだんに消費されて、環境悪化になるというのである。
以前からの主張なら解らなくもないが、唐突な論理を真顔で主張するのである。本気でこんなことを言っているのかと、耳を疑ったが彼らは真面目に主張しているのある。
それなら、15000キロも高速道路を造ることが、どれだけ環境悪化を起こしているか知っているのだろうか。道路を造る過程で、山河を破壊して巨大なコンクリートの橋を造り、土盛りのために山を削りその結果作られた道路の周辺と削られた山から失われた環境のことは、どう評価するのだろう。
地球温暖化だけが、環境破壊でない。原発が良い例である。原発はCO2を排泄しないだけである。建設の過程と維持・稼働とその後の、放射性物質の処分などを考えると、地球にも人にもやさしくないエネルギーであることがはっきりしている。
ガソリンの、暫定税率は即刻廃止するべきである。コメの減反政策も、同様であったが毎年毎年、その年だけの暫定処置であった。そこには理念など無く 、政争の具としてやりくりされただけである。その結果農村も、農民も水田も疲弊する状況になっている。
ガソリンなどの、暫定税率は廃止して、それこそ自民党の主張するように、環境税を設ければいいのである。ところが、政争の具となった今は、自民党は「日本のガソリンは安くない。道路も必要だ」と譲らないし、野党も「ガソリンを安くする」ことを全面に出している以上、別の税にするなど及びもつかないのだろう。
理念のないやりとりばかりが、今日も国会で交わされている。結局は、道路族のために、この税金は維持されることになるのだろう。