そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

アイヌへの謝罪はないのか

2008-02-14 | 政治と金

14_wo_australia_kevin_rudd_4 オーストラリアの若きケビン・ラッド首相が、アボリジニに謝罪した。白人たちは、オーストラリアの先住民のアボリジニから多くのものを奪った。

土地に限らず、姓名や文化や自由などを奪ったばかりでなく、強制収容所に送り込み白人教育を行ってきた。「失われた世代」に対する、はじめての公式謝罪であった。傍聴した多くのアボリジニは涙を流し、首相の謝罪を聞き入っていた。

「深い苦しみ、深い悲しみと損失」を与えたと述べ、何度も謝罪の言葉を連ねた、ケビン・ラッド首相の言葉は重かった。翻って日本はどうなのだろう。

北海道に追い込まれた、アイヌ民族を日本は「先住民族」と認めていない。古1_240559_1_9くは「征夷大将軍」は、侍の最高地位として、アイヌを東北から以北へと追 いやる仕事であった。この称号は、その後の日本の為政者の称号ともなった。今でもニッポリなどのアイヌの地名が沢山残っている。

ほんの10年ほど前までは「旧土人保護法」で縛られていたアイヌ人は、シャモ(日本人・倭人)からどんなことを受けてきただろうか。文字を奪い文化を否定し、土地を奪って追い出したのである。

シャクシャインの戦いを知ったのは、成人になってからである。歴史では全く教えてもらえなかった。ほぼ同時期に発生した、島原の乱は教科書にあったが、卑怯にも奸計で鎮めたシャクシャインの戦いは、神の国日本のナショナリズムに反するのであろう。

わずか3カ月程の数千人の島原の乱に比べて、シャクシャインはほぼ30年北海道全域の部族を集め戦ったのである。乱の大きさは比較にならないものがある。これを歴史で教えようとはしなかったのでる。

友人のアイヌの人たちは、幼いころから差別を受け生きてきた。今では日本語しか話せないし、日本名しか持たない人たちばかりである。資産もほとんどない人たちが多い。

アイヌ人は数百年に及び、アボリジニに比較するのもおこがましいほどの、略奪と苦悩と悲しみを受けている。日本人は、もう悲しみさえ時間の中に消え去り、記憶さえ失い怒りを失ったことを良いことに、アイヌ人に謝罪すらしようとしない。

ラッド首相を見習うべきでないのか。なぜか日本のマスコミは報道すらしようとはしない。

コメント (3)
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