そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

オシラク空爆は今も生きている

2008-07-23 | アメリカ

1981年6月7日、イスラエル空軍機は、イラクの核施設オシラクを空爆し破壊した。空爆したのは、半年前にアメリカから購入したF16、8機であった。それまでの、イスラエル空軍機のファントムでは、往復1800キロは飛べなかった。

2バクダッド郊外、オシラクの核施設は当時世界最大のものであった。アメリカと対峙姿勢をとっていた、フランスの援助によるものであった。石油が欲しいフランスと、核技術を持ちたいイラクの思惑が一致していた。

イラクのフセイン大統領は、この原子力発電施設で得た技術で、あるいはこれを隠れ蓑に、核兵器の開発を計画していたとして、イスラエルは空爆に踏み切った。

国連では、明らかな国際法に違反するイスラエルに非難が集中したが、就任したばかりのレーガン政権のアメリカがイスラエルを擁護したために、国連は制裁すらできなかった。結果的に容認したことになる。

イスラエル首相のベギンは、自衛のための当然の行為であったと国民に報告し、熱狂的な支持 を得た。1_2

このときとった、イスラエルの行為はその後、昨年のシリアの核施設(今年になって北朝鮮が作 ったものと発表されている)の空爆へと続く。自衛のためなら、先制攻撃をも許される。

ブッシュがイラクを侵攻したのも同じ思想である。大量破壊兵器があるので、こちらからそれを破壊するというのである。お前のお旦那が、変なものを持っているからと勝手に人のうちには行って、何もかも破壊する。

ここには不条理な力の論理しかない。強いものが弱いものを徹底的に叩く。フセインを擁護するわけではないが、フセインは見せつけられてきた力の論理を、忠実に実行しようとしただけでないのか。

こうした思想は、27年前のオシラク攻撃から延々と続いていることなのである。国家とは何のためにあるのか。

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